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市町村名のつくり方 [読書]

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今日は久々にゆっくり寝て起きる。
でもって、会社スマホのパスワードを忘れてロックされてしまったのですが、そう言う日に限って、トラブルが起きてメールが飛び交っていると言うね。
パソコンを立ち上げると、出勤扱いになるので、明日まで我慢です(ぉ。

で、写真の整理を始めたのですが、昨日やってた分が見事に無駄になったので、やる気無い事夥しい。
結局、5月末の成田詣では編集が終わりませんでした。
明日くらいには終わることが出来るので、釣果を上げられるかな。

まぁ、編集が遅れたのはもう1つ、久々に掃除機を部屋に掛けて、トイレ掃除を長々とやっていたから。
それで1時間程度掛かってしまったので、後200枚弱なのですが、終わりませんでした。

なので、今日はここ数週間、通勤の行き帰りに読んでいた本。
『明治・昭和・平成の大合併で激変した日本地図 市町村名のつくり方』(今尾恵介著/日本加除出版刊)。

去年11月に出た本で、作者の今尾恵介さんは、この手の地名研究を行っている研究者さんで、地名に関する結構様々な本を出されています。

今回の本は、我々が古いと思っている地名でも、意外に新しい歴史のある地名が多いと言うのを示した本です。

今、我が家のある場所は川口市なのですが、元々は鳩ヶ谷市でした。
鳩ヶ谷と言う地名は、古くは鳩谷と書いていて、鎌倉くらいから既に登場しています。
「ヶ」が付いたのは、他の地域と同様に、江戸期くらいだと思われますが、このままだと保谷(ほうや)の様に読まれる、或いは「はとたに」などと読まれる可能性もある為、きちんと読まれる様に、「ヶ」が付けられたのでは無いかと思われます。
いずれにしても、かなり由緒のある地名です。

世の中にはこうした由緒のある地名だけでは無くて、その地名が消滅した場所も多いです。
代表的なのが東京都と大阪府、最近の政令指定都市、例えばさいたまとか静岡とかですかね。
時代一新だとか効率性重視とか言って、軒並み、東西南北区なんて付け方をするのだから、逆に他の地域と識別が付かなくなったという本末転倒な状態になっています。

また、合併で市町村名を付ける際に、最大人口の市町村の名前を引継ぐのでは無く、平等との観点から、合併した市町村の名前の一部を取ったりして合成した地名にしたり、郡名を取ったり、或いは全く別の地名を付けるケースも多々ありました。

地方自治体の合併は、明治時代には小さな村を集約して中央集権体制を確立するために積極的に行われ、幾つもの小さな村落がくっついて一つの村になる事もありました。
当然、地名で紛糾し、人工的に作られた地名が採用されるケースも多いです。

昭和の戦後にも、行政効率化の面から、村を合併させて町にしたり、町を市に格上げしたり、市に町や村を編入する合併が相次ぎました。
此の時も、それなりに合成地名が作られています。
一方で、茨城などの地方になると明治時代に合併してで来た村落は大字に、江戸期の合併前の村落は小字として残っているところもあります。
こう言う場所は、地名の変遷も判りやすくて、歴史も辿りやすかったりします。

そして平成の大合併。
これはもう何でもありの合併になったので、名前も適当に作ったものが多かったりする。
実現しませんでしたが、セントレア市なんて案も出て来たり、四国中央市なんてものも誕生しました。
そうなると、地名の由来なんて何が何だか判りません。

そう言った合併による地名の変遷についての蘊蓄を書いたのがこの本です。
「つくり方」と言う割には、蘊蓄本なのですが、今まで伝統的な地名だと思っていたところが実は合成地名だったり、駅や学校の名前と地方自治体名が異なるのはこういうことだったのかと言うトリビアが鏤められています。

今後、また更に行政効率化の合併なんて愚策が起きないとも限りませんが(正直、行政効率化にならなかったことはこのパンデミックでも明らかになったわけで)、もし実際に合併するのであれば、ちゃんとこの本を読んで、意味を考えた地名を作って欲しいものです。
一体ここは何処の国かなんて皮肉を言われたり、笑いものになる前に。

明治・昭和・平成の大合併で激変した日本地図-市町村名のつくり方

明治・昭和・平成の大合併で激変した日本地図-市町村名のつくり方

  • 作者: 今尾恵介
  • 出版社/メーカー: 日本加除出版
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: 単行本



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