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戦後型巡洋艦 [日記]

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今日は精神的に疲れた。
元々、自前で鯖を立ち上げる予定だったのに、政治的な横槍と忖度が入って共用の鯖にしろと言われ、共用の鯖に載っかろうと見積りしてみたら、滅茶苦茶費用が掛かったので、別の手は無いのかと言われ、それならと前の見積に少し毛を生やして出してみたら、こっちの方が安いじゃ無いかと言われ、一昨年の提案を採用されてしまったわけで。
私の2年間を返せと言いたい。

さて、そんなダークな話は置いておいて、再びオランダの巡洋艦の話。
第2次世界大戦が終わって復興フェーズに入った為、暫く軍備の増強は蔑ろにされていたオランダ海軍ですが、流石に冷戦に入ってくるとそうも言っておられず、軽空母と雖も、航空母艦を購入したため、その護衛戦力が必要になります。

そこで白羽の矢が立てられたのが、ロッテルダム港で暇を託っていた2隻の巡洋艦です。
1947年に英国の援助の元、再び建造計画が練り直され、船渠に戻されました。

先ず、予定していた武装は悉くドイツ軍に接収されてしまっていたので、3連装砲塔2基と連装砲塔2基の変則的な配置は中止し、オーソドックスな152mm連装砲塔4基を前後背負い式に配置することになります。
この152mm砲は、Boforsのライセンスを購入してWilton-Fijenoordが製造したもので、全自動で1分間に15発発射できる速射能力を持ち、最大仰角は高角砲よりは低いものの60度に達しています。
当然、これらは射撃管制レーダーによって制御されています。

またソ連海軍の主要水上艦艇である魚雷艇などの小艦艇迎撃用には、回転式弾倉による装填が行える57mm連装機関砲の砲塔が前後左右に合計4基設置されて、死角の無いようにしています。
これに加えて、単装のBofors 40mm対空機関砲が8門各所に設置され、航空兵力からの攻撃に備えていました。
元々は40mm連装砲7基と12.7mm連装機関銃が4基だったので、数は減っていますが、砲の威力的には勝っています。
一方で、既に魚雷の威力は薄れたため、53.3cm3連装魚雷発射管は装備されませんでした。
なお、後の設置ですが、フレアー用の103mm発射機が追加されています。

第2次世界大戦の戦訓から、機関部も変更されました。
建造当初は、6基のYarrow式ボイラーで3軸のParsonsギアードタービンを回す予定でしたが、これだと被弾した際に被害が極限出来なくなり、同じ様な配置を採ったDe Ruyterは魚雷で撃沈されたことから、ボイラー4基で2軸のDe Schelde-Parsonsギアードタービンを回すことにし、ボイラー室に2基のボイラーを設置してエンジンルームに設置した1軸のタービンを回す配置にしています。
所謂、「罐-機」「罐-機」の配置にすることで片方が被弾してももう片方が動くようにした訳です。

この機関配置の結果、上構部は一新され、元々の計画ではDe Ruyter同様に1本煙突になる予定が、2本煙突となります。
第1煙突は艦橋後部に設けられ、排煙口は後部を向くように取り付けられました。
そして、煙突上にトラス構造のマストを設置し、対水上用レーダー、射撃管制レーダー、航海用レーダーを集中して装備しています。

また、第2煙突は後構に設置され、排煙口は直上では無く少し曲げて設置され、煙突上にはトラス構造の頑丈な後部マストが設置されて対空レーダーが配置されています。

しかしながら、上部構造物は極めて巨大となり、その重量軽減が課題になって、アルミニウム合金が幅広く用いられました。
それでも結果的に重量は増加し、当初計画では8,350tだったのが竣工時には9,529tに増えています。

この他、地味な部分で変更されたのが電力供給システムで、元々直流でしたが交流に変更されています。
ダメージコントロールの考えも取入れられ、被弾時などでも被害極限が図られるようになり、舷窓は撤去されて空気の通りを能くするために空調設備と冷房装置が設置されました。
当然、こうした電気機器類を動かすために、発電機の容量もアップしています。

こうして、戦後型巡洋艦として生まれ変わった2隻は、元De Zeven Provincienが先の大戦で戦没したDe Ruyterの艦名を襲名して1953年11月18日に竣工、船渠で放置されていたEendrachtは1番艦の艦名を襲名し、改めてDe Zeven Provincienとして1950年8月22日に進水して、1953年12月17日に竣工しました。
実に起工して14年後の竣工です。
竣工後、これらの2隻は北極海域や赤道海域で試験を行っています。

とは言え、砲を装備していた巡洋艦は段々と時代遅れになっていきました。
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