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赤字線 [日記]

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今日も良い天気なのにも拘わらず、家の中で在宅勤務。
花粉症ではあるのですが、くしゃみと言うよりも、皮膚の痒みの方に来てしまって、彼方此方ボリボリかいて大変です。
ひっかき傷は山の様に出来るし。
またぞろ、皮膚科に行って薬を貰ってこないと駄目かも知れません。

で、今日は何か書くこと無いかなぁと思っていたのですが、昨日のヤホーニュースの話題なんぞ。

JR西日本が管轄線区の収支係数を発表したそうです。
まぁ、交通関係の事業なんて、運賃は国に首根っこ掴まれているから儲けの要素はゼロですし、線路やら駅舎やらにはガッツリ固定資産税が掛かりますし、車両費も掛かるし、整備費も掛かる。
なので、JR西日本で黒字の線区は確か大阪環状線と京阪神の東海道線くらいじゃ無かったかな。

今までは、こうした黒字線区で稼いだ資金を赤字線区の補填に充てていたのですが、ここ数年のコロナ禍とワーキングスタイルの変更により乗客はかなり減り、特に定期外の旅客、つまり旅行客が大きく減った為に、現金収入が激減しました。

付帯事業と言ってもデパートとかも振るわないし、不動産も頭打ち、遊園地なんかも少子化で設備投資だけが掛かる代物になってしまい、交通事業は完全に斜陽産業です。
100円の利益を上げるために、何千円と突っ込むビジネス形態はもう限界に近付き、これからは赤字線区の縮小が始まるのでは無いかと思ったりする。

そんな中、JR西日本の線区での収支計算結果が発表されました。
当然のことながら、裏日本の路線は軒並み大赤字の路線になっています。

これに対して沿線の地方自治体は一斉に反発しました。
彼等にしてみれば、鉄道が無くなると言うのは、地方自治体としての格が落ちるようなものですからね。

しかしながら、JRは既に民間企業になってしまっています。
黒字経営を行って、株主に対して配当を出さないと、市場から退場を命じられたり、場合に依っては経営陣の交代まで行く事もある訳で。

大赤字の路線はそれで無くとも経営を圧迫するのですから、とっとと切り離したいのでしょうね。
レーガノミクスやら、サッチャリズムとかで、新しい保守主義が持て囃された当時、行政をスリム化するために、国有鉄道を民営化する動きが欧州を中心に起きていました。

とは言え、これらは上下分離と言って、走らせる列車は民営化するのですが、設備関係は国が保有する、或いは一元管理すると言う形にしています。
なので、イタリアの様に、フェラーリの特急電車が走るなんて言う話が出たりする。

日本は更に進んで、設備関係も含めて民営化した会社に引き渡してしまった。
先述の通り、民営化したら株主に還元しないと駄目ですから、手許に資金が残るようにしないといけない、他の事業で収支が補えないのであれば、赤字の元凶であるローカル線は極力廃止すると言う話になっていきます。

そうなると、過疎の地域は完全に無人の地域になり、一極集中が今以上に進むことになります。
だって、安く利用出来る交通機関が無くなるのですから、生活を維持するのならば都市に行くしか無いですし。

かくして、地方の活力が失われ、日本全体が衰退していくわけです。

赤字路線救済のウルトラCとしては、各地方自治体が出資して鉄道を維持する第三セクター方式、或いは上下分離方式がありますが、何れにしてもそれなりに資金が無いと維持できませんし、各地方自治体も支援に濃淡がありますから、結局は空中分解に至ることも多い。

そもそもが地元民は病院に通う老人と、通学に使う学生しか使わないし、学生はどんどん減っていくのですから、維持する為の資金が全く無い。
大多数の地方公共団体は、自分達でお金を生み出そうとせずに補助金頼りが多いですから、経営努力が無くて負のスパイラルに陥る感じです。

本来は地方公共団体が責任を持って施設を管理し、その線区の需要を喚起して、それに対して国なり都道府県なりが後押しをすると言う形が良いのですけどね。
努力をしない自治体が多くて、そうした自治体ほど文句ばかり言うのでは無いかと思ったりする。

とは言え、都市部の赤字路線が問題視され無いのは何故なんでしょうかね。
我がSRなんざ、一応単年度黒字になったとは言え、岩槻延伸なんかしたらまた赤字に転落するのが目に見えているのですが、それでも廃止しようと言う話にはならない訳で。
その辺は地方と都市部の格差が広がっているからなのかとも思いますね。

願わくば、安全保障と都市の活力維持の観点から、この分野にもっと国の介入をしても良いと思うのですけどねぇ。
財務省が牛耳っている内閣だと無理なんだろうな…かくして例によって国がどんどん衰退すると言う事になる訳です。
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