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Y-Xの亡霊 [日記]

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今日は成田詣でに行こうかと思っていたのですが、ここ何日か22時帰宅が続いていたので、流石に過労状態。
朝起きたら身体が重くて起きられず、もう一寝入りして10時前に起きたらやっと身体の重さが取れました。
やっぱり睡眠は大事です。

何も出来なかったので、先ずはリハビリ。
それから長く伸びた髪を切ろうと何時もの散髪屋に出掛けたのですが、予想通り臨時休業でした。
小さなお子さんがいる夫婦がやっている店なので、やっぱりこの感染拡大では危険と判断したのでしょうね。
で、仕方ないので、途中のパン屋でパンを買って、1000円床屋へ。
新人さんに当たったので、まぁ技術的にはそこそこですが、仕上げは丁寧にしてくれました。

でもって、スーパーに寄って昼飯を購入し、帰ってからシャワーを浴びて人心地つきました。

明日は上手くすれば終日南風運用なのですが、特別塗装機がてんこ盛りなので、かなり早起きしないと場所が取れなさそうです。
まぁ、明日は定期メンテナンスなので、ちょっとした作業をしないといけませんので、出られそうも無く、月曜は出社確定なので、温和しくする方が良いのかも知れませんが。

時に、この前から書こう書こうと思っていてすっかり忘れていたのがSpacejetの話。
「日本の物作りの再生だ」などと持ち上げられていたのですが、このコロナ禍の御陰でかなり業務体制を縮小した形になっています。

結局、思うにSpacejetは、日本の自信のなさの裏返しだった様に思うのです。
そもそも、日本が生んだ代表的な旅客機と言えば、YS-11がそこそこの成功を収めた訳です。
但し、旅客機の思想に軍用機の発想を組み込んでしまったため、無駄に頑丈な作りになり、結果的にコスト高になった訳で。
最初の製品なのだから、ある程度の失敗を織り込んでいくのは常だと思うのですが、余裕の無い日本はそこで怖じ気づいたのですね。

初期投資を嫌って、この世界から撤退しました。
その後もこれの繰り返しです。
唯一成功したのが、川崎重工が当時のMBB(今のエアバスヘリコプター)と共同で開発したBK-117。
これはエアバスヘリコプターのブランドもあって、世界的なヒット作の1つとなり、米軍にも採用される程になっています。

固定翼航空機については、エアロスバルしかり、MU-2しかり、MU-300しかり、後継機を作れずに終わっています。
MU-300に至っては良い時点まで育てた挙げ句、ビーチクラフトに油揚げをさらわれてしまい、逆に自衛隊が米国から購入する逆転現象まで起きています。
結局は我慢が足りないのだろうな。

YS-11の後継機として日本が目論んだのがY-X。
国産のワイドボディジェット旅客機を企図した訳ですが、その構想は当時の貿易戦争のあおりを食って、米国に止めを刺され、結局はサブコントラクターとして生きるしか有りませんでした。
今や、B.767がY-Xの成れの果てと思い至る人がどれだけいるのやら。

それで勘違いしてしまい、夜郎自大となって、「俺たちも国産ジェット旅客機を作れる」と思ったのですが、大型機はボーイングに太刀打ち出来ないし、また掣肘を受けるとも限らない。
と言う事で、日本が世界を席巻した小型車と同じ様に一回り小さなナロージェットを企画した訳です。

ところが、この100~150席級のジェット旅客機は既にボンバルディアとエンブラエルが2強を誇っていました。
これに低価格を武器にしたスホーイが参入してかき回している状態。
この生き馬の目を抜く様な市場に参入したのがMRJでした。

コンセプトと着眼点は良かったのですが、製品化については前2社の方が一日の長があります。
何時の間にか、両社は開発を完了させ、既に営業網を通じて販売を開始している状態。
そうなると、実態の無いMRJは不利な戦いを強いられてしまいます。
恐らく、三菱の首脳陣は、MRJをボーイングの販売網を使って販売しようと目論んでいたのかも知れませんが、製品が一向に出来ない状態では、この世界を戦えません。
ボンバルディアはエアバスに自社製品をパテントごと売ってしまい、エアバスがその機体を手に入れたのに焦ったボーイングは、ライバルであるエンブラエルを買収して自社のラインナップに加えたわけです。
ただ、ボーイングの買収は後に失敗することになりますが…Spacejetにとってはこれが一筋の光明ではあります。

一方、世の中を見回してみると、この一回り下の100席未満の小型旅客機の分野では、今はエアバス配下のATRとデハビランド・カナダがほぼ独占状態です。
ただ後者は勢いが無くなっており、ボンバルディアがブランドを手放しました。
そう考えると、三菱はスカを掴まされたような気がします。

結果、ATR一強と言っても過言では無い。
ただ、この機体は大きすぎると言う問題があり、それよりも小さな機体でも十分というニーズには応えられません。
なので、YS-11を二回りほど小型化し、複合材を多用しグラスコクピットを採用するなど近代化した上で、購入価格が低廉化した機体であればそれなりに戦えるのでは無いでしょうか。
まぁ、企業として、また国として見栄を捨てられるかですが。
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