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急げ急げと仰いますが [日記]

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今日は寒くて遂にコートデビューです。
流石にまだライナーは付けませんでしたが。
そして、寒いからか何度もトイレに駆け込むことになりました。
こんなに耐寒性が無かったかなぁと思ってみたりして。

今日も別の本の話を書こうかと思ったのですが、帰ってきたのが遅かったので、与太話。

米国のPfizerが新型コロナウィルスワクチンを開発して、有効性が9割の人にあったと言う発表をしたそうです。
この報道を受けて株価が急上昇したそうですが、日本の医療関係者は懐疑的な見方を示しています。
そもそも、こうしたワクチンの開発には結構な期間が掛かるそうです。
それをたったの1年弱で実用化に持っていこうとしているのが、どだい無理な話だったり。

無理を承知で期間を短縮すると、結果的に被害を被るのは一般庶民です。
実際、中国が開発したワクチンは、ブラジルでの治験で有害な事象が発生したとの報道がありました。

日本でこうしたワクチンと言うのは、健康被害発生と隣り合わせになっています。
最近でも子宮頸がんワクチンとかが話題に上っていますが、その種の薬害第一号だったのが、1948年の京都に於けるジフテリアワクチンの接種渦でした。

本来ならジフテリアという病気を予防するために毒性を消失させたものだったのに、製造した大阪の日本赤十字医薬学研究所におけるワクチンの製造工程に於いて、規定の容器で製造されなかった為、結果的にジフテリア菌の無毒化がきちんと行われず、毒性が残ったまま生産されたわけです。
更にこのワクチンは別々に製造されたものなのに、一纏めにして同じロット番号を付けて東京に送られました。

そして、生産されたものを検査する工程においても、ランダムにロットを取り出しての検査では無く、業者の準備した検体を検査したか、端から順番に何本か検査しただけで、毒性の残ったロットがそのまま出荷されてしまいました。

その結果、命を救うはずの予防接種で68名の死者を含む多数の健康被害を発生させ、現在に至るまで世界最大の予防接種事故となったのです。
また、京都でその様な事件があったのに関わらず、同一ロットが島根に出荷され、そこで接種を受けた16名が死亡し、こちらも多数の健康被害を出しました。

GHQ主導で行われた政策であった為、本来の責任はGHQに帰せられるとされるべき所、GHQの責任は問われず、厚生省についても京都市が死者への弔慰金支出や後遺症の出た患者の医療費3000万円を国に請求したところ、予防接種を監督する厚生省予防局は「ワクチンの取扱いが薬業者に任されている現状では責任を取りにくい」と述べ、薬業者を監督すべき厚生省薬務局は「ワクチンの検定は予防局の仕事」なのでこちらの責任では無いと言って双方責任を認めなかったと言います。

そして、厚生省は自らの責任を不問にして、製造責任者である業者を告発しました。
因みに法務庁の助言は、「裁判をすれば負けるし、左系の組合が数百万円以上の賠償を求めて訴訟を行う可能性がある。死者1人につき15万円相当の慰謝料を払って、遺族に今後の賠償請求権を放棄させろ」と言うものでした。
厚生省は結局、慰謝料を更にケチって10万円(現在の貨幣価値に換算して500万円ちょっと)にし、遺族に支払ったそうです。

厚生省のこの体質は、厚生労働省になった今でも未だに変わっていないように思えます。
一応、今度のコロナウィルスで薬害に遭った場合は、国が補償するとしてはいますが、今までのパターンからすれば、ちょっと眉唾物なのかなと思ったりする訳で、幾ら急げと言われても、まともな製品を作り上げて欲しいな、と製薬メーカーにはお願いしたいわけです。
(ジフテリア渦の話は『米軍医が見た占領下京都の六〇〇日』PP.268~277を参考にしました。)
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