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一番経営の難しい業界? [日記]

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取り敢ず今日は一山越えて一安心。
しかし、業者との打合せを選りに選って一番面倒な会議の時間にバッティングさせてしまいました。
正直、この会議、毎回面倒なのでホッとした反面、この案件の進捗によっては、連休が吹っ飛ぶことになりそうです。

時に、今年はコロナの影響で彼方此方で航空会社の破綻が相次いでいます。
南米チリのLANとか中米のAeromexico、豪州のVirgin Australiaは経営破綻、タイとシンガポールの共同事業だったNokScootは会社解散、Cathay DragonはHong Kong Expressに吸収合併され、広島に飛来していたSingapore Airlinesの子会社であったSilk Airも、親会社に吸収されることになりました。
また昨日、大韓航空はAsiana Airlinesを買収することを決議しました。

日本でも、Airasia Japanは破産手続きを始めたそうです。
先代の会社もそうですが、セントレアが拠点であったのもあり、遂に乗る事が出来ませんでした。
こちらは親会社であるAirasiaの経営が傾いたため、親会社からの支援が十分に得られなかったのです。

交通産業でも、鉄道と同じく、航空会社は初期投資がかなり掛かります。
ただ、鉄道の方は線路とか駅と言った不動産を保有することが出来、それを担保に車両とかを整備することが可能です。
勿論、電車や気動車を購入して走らせる必要があるので、継続的な投資は必要ですが、気動車でも大切に使えば20年程度利用出来ますし、電車なんかだとメンテナンスさえきちんとしていれば半世紀以上利用する事が出来ます。

対して、航空会社は不動産は余り持ちません。
空港ターミナルビルや滑走路は、大多数の国では、国や地方が整備してくれますし、格納庫も上物とかを建てるくらいでこれが不動産になるかと言うと微妙。

極端な話、天草航空の様に飛行機1機だけでも路線を開設することは出来ます。
但し、それで利益を出せるかと言えば、飛行機1機だけでは足りません。
もし、継続した利益を出そうとするのならば、飛行機を20機は保有しないと駄目で、20機を維持する為の路線開設が必要です。

正直、Airasia Japanの様な3機程度で5路線開設では、利益が出ないわけです。
飛行機20機の調達でも費用はバカになりませんから、最近では航空機ファイナンスというか、リースで借りるケースが多くなりました。
ただ、長い目で見ると新規機材のリース料を支払うのはかなり割高になります。
SKYMARKの破綻も、新規機材のリース料が支払えなかったと言うのが、大きな原因でした。
なので、LCCなんかでは以前どこかの航空会社が使っていて、リース返却したものを再リースすると言う形で機材増を図るケースが多かったりするわけです。

しかし、例えば大手航空会社が利用していたものであれば、しっかり整備してしかも程度の良いものなので長く使えますが、大手航空会社の機材でも、日本の国内線機材の様に、毎日短時間の飛行を繰返して酷使してたり、機材の整備に力を入れない会社の機体だったら、折角導入しても故障続きで部品代だけが掛かる代物になってしまいます。
それだけ、地上に置く時間が長くなり、利益を生み出さない訳です。

好景気の時は極端な話、誰でも参入できるのですが、その時に盤石な基盤を築いていなければ、不況になった局面では一気に破綻に陥ってしまいます。
とは言え、今回のコロナ禍は完全な不意打ち、かつ、一気に来たので態勢を整える暇が無かったという事情はありますが。

老舗と雖も、明日には破綻している可能性がある業界で、一頃は一流企業とか学生憧れの企業とか言われていましたが、実は一番不安定で、一番経営の難しいのが航空会社では無いかと思ってみたりします。
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