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写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車 [読書]

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今日は体調を崩して休み。
ここ最近寒暖の差が激しいので身体に来ます。
1~2ヶ月の長時間労働のツケでしょうか。

なので、十分に本を読む暇が出来て、今まで溜っていた本が2~3冊読めましたので、暫くはそのレビューです。
まぁ、日曜の成田詣での釣果も着々と編集できているのでそのうち載せていきますが。

で、今日は『写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車』(藤原義弘著/みらい広告出版刊)の紹介。

福岡の産業鉄道と言えば、八幡製鉄所の専用線にばかり注意が行って、三池炭鉱専用鉄道と言う存在に正直注意が行っていませんでしたが、ついこの間、今年の5月まで稼働していた鉄道なんですね。
しかも多くの専用鉄道と違って、電化されていて電気機関車が走っていましたし、一時期は通勤輸送も担っていたそうです。
去年まで1年に最低1回は九州に行っていたのに、大牟田は降りたことも無く、恥ずかしながら、ここに鉄道が走っていたことを知りませんでした。

元々は三池炭鉱の為に敷設された鉄道でしたが、1997年に三池炭鉱が閉山した後も、路線を縮小して1.8kmながら三井化学の工場専用線として稼働していたそうです。
これも結局は今年の5月で幕を下ろした事になります。

この本は、つい最近まで現役だった三池炭鉱鉄道の沿線風景を撮影した写真を中心に、炭鉱鉄道の路線敷設の歴史、古写真や絵葉書で見る沿線風景、車両、その時々の出来事をメモ形式で綴った感じの本になっています。

後半はそれに関するコラムになっていて、廃線跡の写真やここで運行されていた機関車について、更にその機関車の中でも特徴的な「ガメ電」と呼ばれる機関車が取り上げられています。

最近、三池炭鉱専用鉄道自体も、廃線後の沿線風景や車両なんかをYouTubeで取り上げて、バーチャル回顧が出来る様にしていたりするので、それと合わせて見るのも良いのでは無いでしょうか。

この鉄道で運行されている電気機関車としては、「ガメ電」と呼ばれていた15トンB型機の他、凸型電気機関車である20トンB型機、45トンBB型機があり、45トンBB型機は東芝戦時標準型機関車の原型になっていて、車両史の中でもエポックメーキングな車両となっています。
同型機は伊豆箱根鉄道とか旧京福電鉄福井鉄道部で見た事が有りましたっけ。

残念ながらこの本では余り取り上げられていませんが、貨車には炭車の他に専用鉄道ならではの車両があり、例えば、三井化学の工場内では火花が散るのは御法度なので、パンタグラフを上げること無く機関車を動かせるよう無蓋貨車の台枠に蓄電池を搭載したデ形電源車や炭車に搭載した石炭を正確に測れるよう、重量計の誤差を修正するため、無蓋車に錘を積んだ検重車、「通勤電車」としては電気機関車に客車を牽引させたものが使われたのですが、確かこの車両は、1948~50年に製造されたもので、当時の電車モハ63形の線図を用い、無動力化した客車となっていたはず。

この辺の資料も取り上げてくれていたらもっと深みが出たのになぁと少し惜しく思いました。
まぁ、紙幅の限界もありますし、写真がメインなので致し方ないところでしょうが。
それにしても、まだ現役だったのに、行かなかったことが悔やまれる専用鉄道でした。
タグ:日記 鉄道 読書
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