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世界でいちばん虚無な場所 [読書]

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休み明けはそれはそれはメールが溜っていて、中々本業に戻れません。
加えて、色々と会議が入っていて、落ち着いてものも考えられない状態です。
好い加減、今のドタバタを脱して、在宅勤務を行いたいのですけどね。

さて、電車の往き来で読んでいて、昨日一気に読み終えた本。
『世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック』(ダミアン・ラッド著/菅野楽章訳/柏書房刊)

つい最近出版された本ですが、タイトルが面白そうだったので買ってみました。
で、読んだ感想はと言うと、一言、「期待外れ」。

大体、旅行本と言うのは、その人が行って来て、五感で感じたものごとを伝えると言うのが一般的ですが、この本は全くそんなことがありません。
ネット時代に相応しく、部屋から一歩も出ず、Googleマップで面白そうな場所を探し、風景の写真を見て、文章を書く…。
これの繰り返しです。

従って、実際にそこに赴いたわけでも無く、だからか、極めて無味乾燥な言葉が連なっているだけで、読んでいるだけで辛くなってきました。
なので、さっさと読んでしまおうと言う精神が発揮されて、3、4日程度で読み終えたわけですが。

地名自体は、珍地名のオンパレードなので、日本のこの手の本のエキスパートである今尾恵介さんだったら、読者にも色々な視座を提供してくれると思うのですが…と言うか、同じテーマを今尾さんだったらどう料理するか極めて興味がありますね。
恐らく、自分でその地に行く、少なくとも地形図を見てその地の特徴を見ようとするはずです。

元々は著者のInstagramに掲載されているものを本に纏めたものらしいです。
著者の偏った知識で選抜されたものだけに、邦訳だからか日本の地名も載っかっていますが、日本の地名では血の池とか首塚的なものはありますが、自殺森なんて地名はわざわざ付けませんよ。
どこのことかと思ったら、青木ヶ原の樹海のことだそうです。
これなんかは明らかな著者の誤解ですが、よく訳者や編集者もこれを掲載したものだ、と思うのですけどね。
関係者は柏書房に抗議してもいいレベルでは無いでしょうか。

まぁ、英国的な陰気な雰囲気を好む向きには好きなものかも知れませんが、私には少なくとも合いませんでした。

世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック

世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック

  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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