奇妙な国境や境界の世界地図 [読書]
今日はリハビリに行くので在宅勤務。
とある通信機器のサイトで、うちの会社の代表管理人をしているので、ライセンス登録に合わせて登録環境を作成しようとしたのに、何時まで経っても「お待ちください」画面が出続けて、何度もトライしまくり。
結局、プロキシ経由で接続するのは諦め、余りしたくなかったのですが、裏口を開けてインターネット直結で漸く登録が完了しました。
多分、サイトのどこかのURLが規制に引っ掛かっていたのでしょうねぇ。
エラー画面が出てくれれば良いのですが、今回みたいに「お待ちください」ダイアログがず~っと出続けているのであれば、サイト側のエラーなのか、こちらのエラーなのかが判断付かず、判りづらいったらありゃしません。
本当に、うちのセキュリティ部門は余計な仕事を増やしてくれます。
さて、ここ数日寝室で読んでいた本。
『奇妙な国境や境界の世界地図』(Zoran Nikolić著/松田和也訳/創元社刊)。
250ページもある本なのですが、見開き2ページが地図とその土地のキャッチコピー、次の2ページが説明文、後半からは地図と説明文がそれぞれ1ページずつという体裁ですので、取り上げている飛地は50箇所くらいで、あっと言う間に読めます。
寧ろ、ずっと読んでいた『世界のカレー料理』の方が中々読了しないのは何故だろう。
あっちは図版と説明文数行の筈なのだが。
それはさて置き、この本、そんなに目新しいものでは無くて、地図を読んでいると出て来る不可解な土地を紹介したものになります。
作者は専門の地理学者とかでは無く、本職はエネルギーエンジニアで、趣味としてこうした地図とかを見る位の人。
ただ、セルビア出身だからか、こうした飛地とかに興味を持ったような観じ。
だから、そんなに微に入り細を穿つ様な記述では無く2ページ程度での記述で収まっています。
地理好きの人からすれば、殆ど当たり前であろう土地もあって、特に目新しさがある訳では無いです。
例えば、欧州のオランダとドイツとベルギーにある歴史的な国境線とか、アフリカの人為的に作られた飛地的回廊とか、旧ソ連のナゴルノ・カラバフとか…。
また国境だけで無く、州境についても取り上げていて、だから「国境や境界」な訳。
州境とかも含めているから、どマイナーな飛地もあって、それはそれで興味深く読めるものではある。
構えて読むと拍子抜けするかも知れませんが、寝る前に頭を休めるという意味では、最適な本で有るように思えます。
流石に日本の飛地までは取り上げているわけでは無いですが。
この本で一番印象に残ったのは豪州の首都キャンベラの飛地。
何しろ、憲法で首都のあるACTは海に面していなければならないと言う条文がある為、海から150kmも離れている首都キャンベラの飛地としてニューサウスウェールズ州の半島の一部が指定されていると言うもの。
しかも、その半島全体が飛地になっているのなら兎も角、燈台のある先端部、その部分だけはニューサウスウェールズ州の飛地と言う不可解な決定が為されていて、しかしそれが法的に有効なのか無効なのか現状がさっぱり判らないと言う何とも大らかな事実。
日本でも測量し直したら島の数が相当増えたと言う事で、これをどの行政区分に組み込むかと言う話になるのかも知れませんが、豪州のような大雑把な決定は為されないでしょうね。
この辺、日本の官僚はきっちりし過ぎる位していますから。(当然交付税にも響きますからね)