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名古屋鉄道車両史上巻(創業から終戦まで) [読書]

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今日は在宅勤務の予定だったのですが、上つ方に新しい案件の説明をセットしたので急遽出る事に。
まぁ、在宅からオンラインで説明しても良かったのでしょうし、オンラインで対応出来る人ではあったのですが、きちんと対面で説明した方がいいかなと思ったので出掛けました。

出掛けて良かったです。
微妙なニュアンスが一応伝わって、理解して貰えたので良かった。
直前に、別の部署で起きたトラブルの報告があったので上つ方の機嫌が悪かったらどうしようと思ったのですが、何とかなりました。

しかし、これにかまけていたので他の仕事が全く進んでいません。
明日は在宅勤務の予定だったりするので、挽回せねば。

さて、ここんとこベッドでずっと読んでいた本の紹介。
『名古屋鉄道車両史上巻(創業から終戦まで)』(清水武・田中義人共著/アルファベータブックス刊)。

タイトルを見れば分かるとおり、名鉄の車輌の紹介なのですが、現在の名古屋鉄道だけでなく、その前史である1898年の名古屋電気鉄道、尾西鉄道、豊川鉄道から始めて、初代の名古屋鉄道、美濃電気軌道、長良軽便鉄道、岐北軽便鉄道、谷汲鉄道、各務原鉄道、竹鼻鉄道、東濃鉄道(東美鉄道)、愛知電気鉄道、知多鉄道、碧海電気鉄道、西尾鉄道、瀬戸電気鉄道、岡崎電気軌道、三河鉄道、渥美電鉄、名岐鉄道、そしてこれらが最終的に統合された現在の名古屋鉄道の1945年8月までの各社の車輌を紹介している大著になります。

確かに1つの項目は小さい(大体1ページの半分)のですが、車輌の来歴、鋼体化改造、制御器の交換、昇圧あるいは降圧の対応などを狭いスペースに上手く纏めています。
またこれらの車輌が何両製造され、何時から営業に入ったのか、そして最後がどうだったのかについてもちゃんと触れています。

当然、文章だけで無く、車輌の形式写真についても掲載していて、戦後の写真だけでは無く、明治や大正期に於ける竣工写真なども多く掲載しており、これと下巻を見れば、名鉄の車輌について一通り分かる様になっている本です。

大手私鉄でも、阪急や阪神の様に合併の規模が小さければまだ整理し易いのでしょうが、近鉄や東武、名鉄の様な合併に合併を繰返している会社だと、資料を保存するにも並大抵の苦労があったのでは無いかと推察します。
関東圏の私鉄の場合は車庫や工場、社屋が空襲に遭ったりして、その辺の資料が焼失してしまったものも多いのでは無いでしょうか。

確かに名鉄も空襲などは受けましたが、それでも関東圏に比べればまだマシな方では無いかと思います。
それに、近年まで車体再生や制御器や電動機の流用などで、現物を稼働させてきたというのもあったでしょうね。

資料が見事に整理されて、本としての体を為しています。
共著ですが、作者は何れも名鉄のOBで、田中さんは退職後に名鉄資料館に在籍している方ですから、資料へのアクセスも容易だったのでは無いかとは思いますが、よくぞこんなややこしい来歴の車輌群を整理して纏められたものだ、とその努力に頭が下がる思いです。

巻末には更なる資料として、車両形式変遷表や1944年の車両諸元表、車両形式図、竣工図、1943年現在の停車場配線略図などが掲載されており、資料的価値も高いです。
単なる市販本でここまでのものは見た事が有りません。

矢張り中の人がちゃんと仕事をすれば、こうした立派な本が出来るのだなと言う感じを受けましたし、他の会社もこんな本を出してくれれば良いのにとも思いました。
これから下巻にも取りかかりますが、こちらも面白そうです。

名古屋鉄道車両史 上巻(創業から終戦まで)

名古屋鉄道車両史 上巻(創業から終戦まで)

  • 出版社/メーカー: アルファベータブックス
  • 発売日: 2019/03/28
  • メディア: 大型本



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