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「中国全省を読む」事典 [読書]

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昨日22時近くまでいたので流石に頭がぼ~っとしていて、目が開かず、「早めに帰れば?」と上つ方に言われる始末。
しかし、やることが一杯有って、終わったら19時。
そこから、ついつい書店に行ってしまい、結局帰ったら21時近くでした。

さて、ここ最近通勤の行き帰りに読んでいた本の紹介。
『「中国全省を読む」事典』(莫邦富著/新潮文庫刊)
実は2009年出版の本なので10年前の本。
当時はまだ文庫本もしっかりしていて、壮丁も丁寧だし、栞代わりの紐が薄い本にも拘わらず付いていました。
この本は元々、2001年に出版された『中国全省を読む地図』の改訂版として出版されたものです。
前作は読んでいないのですが、この頃丁度中国の経済成長が話題になっていて、買ったものと思います。
で、買ってから読もうと思っていたのですが、他の本の方に興味が移ってしまい、長いこと寝室の机の上に放置されていました。
先日、光人社NF文庫を整理した際に出て来て、改めて読もうと思った次第です。

表題の通り、中華人民共和国の中央直轄市である北京、上海、天津、重慶と省、それに内蒙古、チベット、寧夏回族、広西チワン族、新疆ウイグルの各民族自治区、更に特別行政区として香港と澳門、加えて台湾のそれぞれの地理的特徴、歴史、産業、観光、その地域の概況をコンパクトに纏めた本です。

作者の莫さん自体が大陸の出身ですから、台湾については大陸寄りの記述をするのは仕方ないところですが、それ以外の地域についても、比較的中立的な物の見方、汚職や貧困、環境破壊についての素直な見方を書いていますので、意外にこの当時の中国の現況が分かる本になっています。

中国のこうした情報を網羅したコンパクトな本と言えば、昔は思い切り分厚い中国情報事典だったかな、そんな本があったのですが、コンパクトとは言え1,000ページ以上の厚みを持つ本だったので、おいそれと持ち運びできませんでしたから、こうした文庫本サイズの事典は重宝されたのでは無いでしょうか。

残念ながら、現在は習近平体制の御陰で、政府に対する批判めいたことが書けなくなっていますし、日本でそうした本を発表すると、国に帰ってから拘束されてしまう可能性がありますから、本音で書かれたありのままの全省事典的な本は出版されていません。
そう言った意味でも、貴重な情報源と言えるのでは無いでしょうか。
ただ流石に10年も経過すると中国の現状も随分と変わったでしょうから、本来であれば、この事典の改訂版が欲しい所ですけどね。

「中国全省を読む」事典 (新潮文庫)

「中国全省を読む」事典 (新潮文庫)

  • 作者: 莫 邦富
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/03/28
  • メディア: 文庫


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