懐かしの湘南顔電車 [読書]
今日は休日作業で、在宅勤務。
朝から数値こねくり回しでした。
とは言え、この気温。
仕事をしているとジリジリと気温が上がり、集中力が落ちて段々と作業効率が落ちていくのが判ります。
流石に14時過ぎからは耐えきれなくなり、梅仕様のクーラーでは余り効率的に冷えず、丁度切りが良かったのでギブアップ。
15時からはグロッキーで寝てました。
そんな訳で、ここ数日、通勤の行き帰りに読んでいた本の紹介。
『懐かしの湘南顔電車 一時代を築いた電車たちの顔』(「旅と鉄道」編集部編/天夢人刊)
1950年代、今までの蒸気機関車牽引の列車の代わりに、電車は短距離しか運行できないという概念を破って東海道線に登場した80系電車を祖とするスタイルをした車輌の一覧です。
元々、80系電車の1次車はスタイルに余り拘りが無く、半流線型の前面に3枚窓というスタイルで登場しました。
ところが、初期車では故障が頻発し、絶縁不良でスパークしたパンタグラフから出火して、乗客多数が閉じ込められて焼死すると言う大事故を起こしてしまいます。
なので、同じスタイルで登場するのはイメージが悪いと、桜木町事故の影響で、63系電車が73系と改称されたと同じく、80系は側面スタイルはそのままに、前面は当時の飛行機や自動車をイメージさせる後退角を付け、2枚窓で腰部に標識灯、頂部にヘッドライトを配置するスタイルにして、イメージを一新。
これに消費者はコロッと騙され(苦笑)、中身は初期車と変わらないのですが、人気の車輌として東海道線に君臨しました。
長編成の長距離電車と言うジャンルを確立した80系は線区に合わせた改造を受けつつ全国に広がって行き、そのスタイルの格好良さが万人受けして、首都圏を始めとする大手鉄道会社はもとより、中小企業や路面電車運航会社などにも波及していった訳です。
本書では、国鉄の湘南系電車から、それが電気機関車やディーゼル機関車、気動車に波及していった過程や、国鉄の影響を受けた西武鉄道、京王電鉄などの大手私鉄、それらの車輌が譲受されて第二の人生を歩んだ中小私鉄各社の車輌の紹介と、未だに現役である銚子電鉄の2000系の紹介などを交えて、湘南顔の系譜を描いています。
勿論、この「湘南顔」と言う定義ははっきりしませんので、それは「旅と鉄道」編集部の独断と偏見に依るのかも知れませんが。(例えば、阪神の最初の赤胴車や青胴車は明確な湘南顔なんですが、期間が短いからか取り上げられていません…京成が取り上げられているのに)
まぁ、大体の車輌は網羅されているのではないかと思います。
願わくば、こうしたデザインの誕生の経緯なんかも掘り下げて取り上げてほしかったなぁと思いましたが、それはハードルが高いかもしれないですね。
(「旅と鉄道」自体の歴史もそんなに長くは無いから…寧ろこの辺は鉄道ピクトリアル辺りが得意とする分野か)
写真も適度に鏤められていて、軽く読む本としては適当なのかなと思います。