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モノクロームの私鉄原風景 [読書]

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今日から下期、10月ですよ。
この前雑煮を食べたと思ったのに、この前入院していたのに、この前水浴びをしていたと思ったのに、あと2ヶ月で終わってしまう。
そして、今日から増税。
交通費がしっかり4円値上がりしていました。

そんな毎日ですが、今日は久々にRadeonドライバの更新で嵌まっていました。
メインPCのドライバが何時まで経っても更新出来ず。
サブPCの同じドライバはすんなり入ったのに何故か更新出来ない。
ダウンロードし直したのに同じで、結局、アンインストールして、一からインストールし直しでした。

で、読書の秋と言う事で、ここ数日は読書がテーマです。
今日は、寝る前に読んでいた本、『モノクロームの私鉄原風景 ~懐かしき1960年代の鉄道~』(諸河久著/交通新聞社刊)の紹介。

諸河さんと言えば、鉄道写真の泰斗で、数々の鉄道写真を発表されている重鎮の一人です。
その諸河さんが若い頃に撮りためた写真を紹介したのが本書。
とは言え、写真がメインと言うよりも、写真を撮りに行ったときのエピソードが鏤められているのが特徴で、肝心の写真は脇に追いやられています。
なので、写真だけを期待した向きには余りお勧めできません。

で、元々は交通新聞社が出している『鉄道ダイヤ情報』と言う雑誌の連載を1冊に纏めたものです。
以前、ヒギンズさんの本を紹介したのですが、彼は物量の豊富な米国人らしく、カラー写真の記録でした。
一方の諸河さんは、当時の日本人で当たり前だったモノクロ写真です。
それに、当時は今や世界をリードしている日本のカメラ技術など及びも付かない状態で、貧弱なレンズ、ライカなどの名機に及ばない国産カメラ、フィルムも安いフィルムを仕入れて自分達で装填したりしている状態です。

しかし、今と異なり連写などをする余裕はありませんから、一撃必殺的に被写体と構図を決めて、シャッターを押すと言うもの。
一方で、今と違って大らかな時代ですから、線路に降りての撮影や、車庫を訪問して、庫内にしまってある車両で望みのものを動かして貰い、形式写真を撮る様な事が出来ていました。
今で言う鉄道マニアですが、現在の様に鉄道会社の人に対して上から目線で居丈高な振る舞いや眉をひそめるような行為はせず、唯々ストイックに車庫や沿線に赴いて写真を撮影するだけです。
そうした人々ですから、鉄道会社の人達も、作業の手を止めて相手をしてくれたのかも知れません。

本書では諸河さんが若かりし頃、斯界の先輩達と共に、日本列島津々浦々に至るまで、鉄道を求めて行脚した結果の貴重な写真が、当時の旅のエピソードを元に掲載されています。
当時の旅は、現在の様に飛行機で気軽に出掛ける様な旅では無く、列車や船を乗り継ぎ乗り継ぎで目的地に着くまで何時間もかけて赴くと言うもので、ただ、それだけ長い時間をかけて旅をするので、旅情というものがあったように思えます。

また、当時の写真に対する諸河さんの情熱みたいなものも感じました。
今となっては殆どの路線が忘却の彼方に行ってしまったですし、車両も生き延びているものはありません。
そう言った意味で貴重な記録ともなっています。

モノクロームの私鉄原風景

モノクロームの私鉄原風景

  • 作者: 諸河 久
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: 大型本



タグ:鉄道 写真 読書
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