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HISTORY 幸せの貼り紙はいつもどこかに [読書]

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今日で9月終わり。
増税前の駆け込みとして、スーパーに寄って食品の他、嗜好品のコーヒーとかを買ってきました。
…コーヒーは低減税率対象だっけ。
ま、どうせ、明日から10%の税金が掛かるわけですから、殆ど蟷螂の斧状態ですが。
そして、銀行のポイントが今日で期限が来るものがあったのに、すっかり忘れていて、慌てて引換えようとしたら既に締め切られた後でした。
残念無念。

さて、昨日の『ローカルバスの終点へ』の次に読んでいた本の紹介。
『私立恵比寿中学 HISTORY 幸せの貼り紙はいつもどこかに』(大久保和則著/東京ニュース通信社刊)

SMAPに次ぐアイドルグループとして作られたのが、TOKIO。
ある意味、SMAPは王道を行く(とは言え、ジャニーズでは傍流だった訳ですが)アイドルだったのに対し、TOKIOのイメージは最初からどこか泥臭いと言うか、SMAPの影に隠れて目立たない感じでした。

しかし、SMAPの眩い光は逆にその内実を見えなくしてしまい、泥沼の解散劇に至ってしまったように思えます。
一方のTOKIOも王道のアイドルを目指していましたが、どちらかと言えば一芸に秀でた方面を伸ばしたような感じを受けますし、SMAPよりは人間的な感じ。
だから、メンバーの飲酒問題では、内部の軋轢というか葛藤を包み隠さず曝け出したのでは無いかと思いますし、この前のリーダーの結婚でも誠意が滲み出ているような気がして、好感が持てました。

これをスタダのアイドルに当て嵌めると、SMAP的なそれは勿論ももクロです。
ももクロについては、公式伝記作家的な立ち位置の小島さんがいて、数々の著作を発表しています。
しかしながら、彼の著作ではインサイド深くに切込んだ感じではなく、自主規制が敷かれている様に思えました。

例えば、ヒャダインとももクロサイドが何故対立したのか、とか、有安さんの脱退問題について、深く書くことはありません。
確かに、誰かが傷つくことを恐れたのかも知れないでしょう。
ただ、書かないことでモヤモヤが残った感もあります。

ジャニーズのTOKIOに対応する立ち位置なのが、エビ中では無いかと思います。
今回、10周年と言う事で、今まで触れられることの余り無かったその内情が明らかにされました。
驚いたことに、この本にはタブーがありませんし、自主規制もありません。
だから、その時その時に、メンバーが何を思っていたのか、どんな行動を取ったのか、その辺りを正確に書き留めています。

メンバーだけで無く、スタッフ、所謂大人にも焦点を当てていて、大人がどんな思惑でエビ中というグループを作り、育てていったかについてもインタビューを交えて書いています。
これを読むと、最初は大人達の敷いたレールに載っかるだけだったのに、段々と自分達で考え、行動する様な成長を見せています。

その切っ掛けは、売れ始めてからメンバーが3人も転校(脱退)すると言う衝撃的な出来事でした。
その補充として、新しいメンバーが2人来る。
転校メンバーとの亀裂、そして新メンバーの受入可否をめぐっての残留メンバー同士の話し合いが白熱したこと。

かほりこの加入で落ち着いたかに見えた時に、ひなたの突発性難聴、歌穂のバセドウ病発覚と言う苦難があり、更に松野莉奈さんの死と言った大津波…次から次に大きな出来事に見舞われます。
それを乗り越え、再びリスタートを切ったときに発覚した星名美玲ちゃんの恋愛スキャンダル。

普通、スキャンダルについては完全に黒歴史ですから無かったことにする事が多いのに、これに目を背けること無く、きちんとみんなが取材に向き合っているのは芸能界にとっては珍しい事だと思います。

そして、ぁぃぁぃの転校とその裏での大人達との葛藤。
この本で唯一取材し切れていないのがぁぃぁぃの思い。
サバサバした彼女のことですから、恐らく過去を振り返るのが嫌だったのかも知れません。
まぁ、事務所も異なりますからね。

その転校に際し、校長ことチーフマネージャーの藤井ユーイチさんは、エビ中の入口であるぁぃぁぃを欠くことはグループにとっての危機だと感じ、オーディションでメンバーを追加する準備をメンバーにも知らせること無く行い、直前まで武道館で発表するつもりでいたそうです。

もし、此の時にこれを武道館で発表していたら、恐らくこのグループは消滅したと思います。
幾度も試練を乗り越えた6人の渾身のパフォーマンスの結果、この企ては消滅しました。

6人での活動開始も束の間、昨年クリスマス大学芸会での星名美玲さんの転落事故で平温が断ち切られます。
当時は容態がよく判らなかったのですが、此の時、彼女は脳挫傷、左側頭部骨折、外傷性くも膜下出血という重篤な状態だったそうです。
正直、脳挫傷とか外傷性くも膜下出血なんてなると半身不随になってもおかしくありません。
咄嗟に落ちる直前に舞台の端に手をついたのが九死に一生を得たそうです。
本来なら1ヶ月入院加療し、1年間は患部固定が必要だったのですが、本当に気力で治し、徐々にパフォーマンスを再開していきました。
この前のファミえんでも元気にパフォーマンスを見せていましたから、奇跡の快復力と言っても過言では無いでしょう。

こうした出来事だけ見ると、彼女達の人生に「幸せの貼り紙」って言うのは無いのでは無いかと思ってしまいますが、彼女達はこうした逆境を乗り越えることで、寧ろ「幸せの貼り紙」を見つけている様な気がします。

タレント本ではありますが、それは食わず嫌いです。
分厚いのですが一気に読んでしまいました。

私立恵比寿中学HISTORY―幸せの貼り紙はいつもどこかに (B.L.T.MOOK 51号)

私立恵比寿中学HISTORY―幸せの貼り紙はいつもどこかに (B.L.T.MOOK 51号)

  • 作者: 大久保 和則
  • 出版社/メーカー: 東京ニュース通信社
  • 発売日: 2019/09/01
  • メディア: ムック



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