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ニュートンの林檎 [音楽]

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今日から階が異なる場所での仕事。
絶対に元の場所には行くまいとしっかり心懸けていたので、ボケて元の階に行くことは避けられましたが、広い会議室が無いので、今度は階段の上り下りが大変です。
まだ冬だからいいですが、これが夏だと堪えそうです。

さて、昨日、写真の整理をしながらやっと椎名林檎のベスト盤『ニュートンの林檎』を聞くことが出来ました。
15曲2枚組の大作なので、全部聞き通すとなると2時間近くになります。
なので、一気に聞くにはリキを入れないといけません。

1枚目最初の曲は、椎名林檎と宇多田ヒカルがコラボした曲である『浪漫と算盤 LDN ver.』。
これはMVも出ていますね。
1番は低い声で歌う椎名林檎と高めのキーを採る宇多田ヒカル、2番はその立場が逆転するこの組合せは、意外に合っていると言うか、意外にも声質が合っていて、MVを見ていなければ、どっちが歌っているのかが分かりません。

そう言えば、デビューは同じ年だったんじゃ無いか、と思ったりして。
なので、実際の収録現場は火花がバチバチ飛んで居たのでは無かろうか。

2曲目以降は、時代順に椎名林檎のシングルというか代表曲を並べていっているのですが、初期の曲は、どちらかと言えば背伸びしている感じですね。
若い分かなり冒険している様にも思えます。
歌のキーもかなり高く、ロック的なサウンドが目立っているのがこの頃かな、と。

『歌舞伎町の女王』、『丸の内サディスティック』辺りは知る人ぞ知ると言う感じで、扱い自体もキワモノだったような記憶があるのですが(何しろ私が注目するくらい)、『本能』ではMVの衝撃と共に大ブレイクを果たし(テレビ神奈川の朝の音楽番組をその頃よく見ていたのですが、『本能』のMVが結構長く流れていた思い出が)、以降は自分の作りたいものを作る事が出来る様になったのでは無いでしょうか。

次の『真夜中の純潔』では、ロックから徐々に軸足を移動させて、現在の林檎サウンドの萌芽とでも言うべき、ジャズ的な要素が見られるようになります。
サウンドが大分重厚になってきて、キーはエキセントリックな感じでは無く、低い落ち着いた感じの歌に変化しているのでは無いか、と。

ほぼその方向性が定まったのが、『茎(STEM) ~大名遊ビ編~』で、全編英語詞となっているのも変化点なのかな。

『りんごのうた』ではより短い小品ながら、ヨーロピアンテイストが強まって、フレンチミュージック的な要素が取入れられています。

その後はこのヨーロピアンテイスト、ビッグバンドサウンドをメインに、様々なアーティストとコラボを行っていきます。
冒頭の宇多田ヒカルとの曲もその1つの路線ですね。
その萌芽が見られるのは、兄の椎名純平とデュエットした『この世の限り』。

それで進むかと思いきや、一時的に最初の方にサウンドの作り方を振ったのが、『自由へ道連れ』では無いかと思います。
この曲では初期作品のロックな椎名林檎が顔を見せているのですが、一旦原点回帰したのでしょうか。

この頃はかなり迷走したと言うか、様々なサウンドを試していた感じを受けます。
『カーネーション』ではワルツサウンドでゆったりした曲を、『NIPPON』では再びロックサウンドを、『ありあまる富』ではほぼギター一本で構成されたシンプルなサウンドを、『青春の瞬き』ではシンセサイザーを駆使した電子的な音楽をそれぞれ試して、サウンドの幅を拡げて行ったのでは無いでしょうか。

そうして様々なサウンドを試してみて、最近ではコケティッシュなフレンチミュージックとジャジーなビッグバンドサウンドへと回帰しています。

特に直近のコラボ曲は、椎名林檎サウンドの集大成とでも言うべき作品に仕上がっているのでは無いでしょうか。
宮本浩次とは『獣ゆく細道』で、これまたかなりガチな歌のバトルを繰り広げていますし、元東京事変のギタリストであった浮雲とは、息の合った掛け合いを『長く短い祭』で見せています。
更に、トータス松本とは『目抜き通り』で宮本浩次とは違った形でのバトルで、お洒落で関西系のノリの良い掛け合いを見せています。

このアルバムの各CDの終わりの1曲にはリミックスが入っています。
1枚目のそれは『丸の内サディスティック』はneetskillsによるリミックス。
こちらは新進気鋭のクリエイターみたいですね。

そして、2枚目のそれは椎名林檎のお遊びでしょうか。
こちらは長い付き合いのヒャダインがリミックスした『ジユーダム』。
普段聞き慣れていた林檎サウンドとは全く異なる方向性の、ピコピコ感溢れるサウンドに変貌しています。
これだけ聴いても、彼女の音楽の幅広さに驚嘆するのでは無いか、と思いますね。

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2019/11/13
  • メディア: CD


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