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電気機関車とディーゼル機関車 [読書]

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今日も出勤。
帰りは初めて8両編成に当たりました。
行きに8両編成に当たったときには、6両編成と変わらず、出口に一番近い場所に停車したのですが、帰りの8両編成は、鳩ヶ谷のホームが延伸されているので、何時もの場所とは異なり、後ろ側に停車する訳で、階段までちょっと歩きましたね。
東急の電車は8両編成化が完了しているので、今後は8両編成にぶち当たることが多くなるのでしょうか。
気をつけなければ。

ここ最近、撮り鉄に関するニュースが多いので、鉄道の話を取り上げるのは気が引けるのですが、まあずっと電車に乗っての行き帰りに読んでいた本の話なので、大目に見て下さい。

『電気機関車とディーゼル機関車(改訂版)』(石田周二・笠井健次郎共著/成山堂書店刊)。
成山堂書店の交通ブックスというシリーズの本の1冊です。
元々は、同じ題名で2015年に出版していたものなのですが、その後の2年間の動きを追記した改訂版になります。
内容は、蒸気機関車以外の機関車のメカニズムや構造、世界の機関車業界の動きなどを俯瞰的に解説した本になります。

日本では液体式のディーゼル機関車が長いこと主流だったのですが(これについては原子力村ならぬ国鉄村の影響が未だに尾を引いている所があります)、それでは最近の技術革新に付いていけない面が起きています。
特に機関については、戦前から連綿と開発が続いていたDMZ系列の機関がずっと主流で、出力の低い機関がのさばっていて、新型の高出力機関を開発できずにカミンズ等の海外製機関を採用せざるを得なかったりします。

一方、変速機についても、ドイツと日本を除き液体式というのは主流になり得ず、電気式ディーゼル機関車が主流です。
ディーゼル機関を用いて発電機を動かすと言う機構ですから、ディーゼル機関車と雖も、電気機関車と機構的には発展が相似形になりつつあります。
特に最近はインバータ技術が発展しており、より両者は交わりが強くなりました。

そして、例によって日本はこの流れから完全に置いてきぼりを食らっています。
最近でこそ、やっと世界標準に追いついてきた感じがしますが、電気式ディーゼル機関車の機関一つを取っても、海外では建設機械からの転用など、コスト削減や標準化に努めているのに対し、その辺が甘く、周回遅れの感がします。

また、中国やインドのように、海外からの技術移転を前提とした機関車の発注を行い、そこで培った技術を展開して大量生産を行い、価格の安さを武器にして海外輸出を積極的に実施し、元々の欧米メーカーを淘汰する動きも出ています。

それに対して、欧米のメーカーは合従連衡で対応し、数グループに収斂されているのですが、日本はまだまだメーカー数が多く、海外市場に乗り出すには体力が続かない状態が続いています。
そう言う意味では、巷で言われるほど、日本のメーカーが海外市場で強さを発揮しているとは思えません。

経済安保だ何だかんだ言ってますが、その辺のダメダメさまで踏み込んでくれると、もっと面白かったのでしょうが、流石に作者はメーカーの元技術者としてのしがらみがありますから、そこまでは書き切れなかったようです。
それでも世界の動きや技術についての解説は流石で、素人の私でも楽しめるものでした。

電気機関車とディーゼル機関車(改訂版) (交通ブックス)

電気機関車とディーゼル機関車(改訂版) (交通ブックス)

  • 出版社/メーカー: 成山堂書店
  • 発売日: 2017/08/26
  • メディア: 単行本


タグ:読書 鉄道 日記
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