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世界の国境を歩いてみたら… [読書]

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今日は会社の机の上に財布を忘れて帰りました。
定期と小銭入れは持って帰ったので、それだけ完全に忘れた事になります。
直前に、同僚が財布を弄ってきたので、別の所においたのが運の尽きでした。
御陰で、明日会社に赴いて取ってこないと行けません。

やれやれ、明日は出来ればリハビリだけに留めて家の中に引き籠もるか、成田に行って、昨日と今日の余波でドタバタしている珍しい機材を撮影しに行こうと思っていたのに、総ての計画が狂いました。
それにしても、同僚め…。

さて、ここ最近読んでいた本の紹介。
『世界の国境を歩いてみたら』(「世界の国境を歩いてみたら…」番組取材班著/河出書房新社刊)

日本は四囲を海に囲まれていて、国境線を意識することはありません。
そう言う意味で島国根性なる言葉が生まれたのでは無いかと思う訳ですが。
しかし、世界の大多数の国は、何らかの形で他の国と陸上で国境線を接しています。

その国境線に何があるのか、どんな人々が生活しているのか、その暮らしぶりはどうなんだろう。
そう言った様々な疑問に応えるべく、作られたBS11のテレビ番組の書籍化です。

流石にテレビ番組ですから、余り危ない場所には行きません。
とは言え、どの国に於いても国境地帯というのは常に緊張感がある場所です。
この本では、番組で紹介したエピソードの他にも、それぞれの国々の間の国境をディープに紹介してくれています。

南米からはアルゼンチンとボリビア、中米からはコスタリカとパナマ、北米からは米国とカナダ。
東南アジアではベトナムとカンボジア、シンガポールとマレーシア、タイとラオスの3箇所。
欧州からはフランスとイタリア、オランダとベルギー、ノルウェーとスウェーデン、スイスとフランスとドイツ、更にバルト三国。
アフリカからは、南アフリカとモザンビーク。

流石に、日本のテレビ番組ですから、パレスチナとイスラエルとか、ギリシャとトルコ、トルコとシリアなど紛争地帯の国境は行けません。
丁度今、トイレで読んでいるのが、同じボーダーですが正にこうした紛争地帯の国境をルポした本だったりするので。

それでも、限られた取材日程にも拘わらず、両国(或いは3カ国)の国境線を北から南、或いは東から西まで、取材で行ける場所には足を運んでいる印象です。
BS11ではかなりの人気番組らしいのですが、そう言ったのも、こうした丁寧な取材が背景にあるのでは無いか、と思っていたりします。

そうした場所では、国境があるにも拘わらず、「それは国同士が勝手に決めたことで、俺たちには関係ねぇ」と言わんばかりに、当たり前に国境を越えて往き来する人々の姿があります。
特に先住民達にとっては、自分達が往き来していた場所に勝手に線が引かれたのですから、国境線の存在すら無視する形になっています。
それぞれの国々もそうした事情を汲んでか、黙認することも多い様です。

しかし、相手が非友好国であれば話は別。
バルト三国とロシアの様に、元々、ソ連という国を構成していた地域に移住したロシア人は、バルト三国が独立すると孤立してしまい、それぞれの国々に元からいた人達と相容れない関係になって、刺々しい雰囲気を醸し出している事もあります。
また、シェンゲン協定に伴って、国境線での手続きが無い筈の欧州でも、アフリカや中東から押し寄せる難民を排除しようと、フランスとイタリアの間の国境の様に、ピリピリした場所も垣間見えるのも、取材によって明らかになっています。
この辺、普通の地上波民放の番組とは違うところでは無いか、と思ったり。

番組が丁寧に作られている分、この本も薄いながらも丁寧に作られている様に思えます。
まぁ、こうした番組は行った気分にしてくれてナンボですからね。
この本を読むだけでも、色んな場所に行った気にさせてくれます。

世界の国境を歩いてみたら…
河出書房新社
「世界の国境を歩いてみたら…」番組取材班

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