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ニワカ、ミュージカルを見る [音楽]

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今日は久々の舞浜アンフィシアター。
確か、前はエビ中と流れ星のジョイントライブでしたっけ。
1回だけの割にはちゃんと道を覚えていました。

此処に来たのは、今日がももクロちゃん主演のミュージカル、「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス」の千秋楽だったから。
実は、どうも台詞を歌に載っける様なミュージカルなるものは苦手で、学校の授業で大昔に見た以外は、全くお呼びでないジャンルの1つでした。
それが、こうして見に来るのですから、人生判らないものです。

と言っても、このミュージカル、普通にアイドルが出るだけの作品では無く、本格的なミュージカルになっています。
脚本はラッパ屋の鈴木聡さん、演出は映画監督の本広克行さんと言う当代一流の人達。
また、ミュージカルなので、演奏もバンド編成を組んでの生演奏で、ダウンタウンももクロバンドの「ヘイヘイ」こと宗本康兵さんがバンマスを務めています。
なので、音についても本格的です。

演者も、ももクロちゃん以外はミュージカル女優として実績のあるシルビア・グラブさんに、宝塚の星組トップ娘役だった妃海風さんが脇を固めて、他の演者たちもダンサーとして実力のある人達です。

従って、例によって例の如く、ももクロは全くの素人と言った状態からのスタート。
ただ、前に平田オリザさんのワークショップでみっちり鍛えられ、また、夏菜子ちゃんは更に朝ドラで連日鍛えられたので、全く素地が無い訳ではありません。
歌は普段披露していますし、殆どが自分達の持ち歌で進行していく形ですから、そこは楽。

一体、どんな話になるのかと心配半分、興味半分で見に行きましたが、鈴木さんの脚本は、モノノフの理想を実現したと思える様なものになっていました。
ももクロちゃんの曲というのは深みのある曲が多いから、色々な場面で使えます。

殆どはももクロちゃんを中心に話が進んで行きますが、天国のお局堕天使(シルビア・グラブさん)とその秘書坂本(妃海風さん)が歌うももクロの曲も、聞く人の心を打つものでした。
矢張り、本格的に声楽を学んだ人達だけあって、声量が全く違いますし、歌もしっかりしています。
歌い手によって、同じ歌でも全然感じが違うんだ、と言う事を改めて思い知らされました。

ミュージカルは2部構成になっていて、1部は4人の出会いと突然の別れ、そして、夏菜子を介したみんなとの再会を、2部は再会したみんなが、楽しく過ごす…しかし、最後には再び別れがあって、と言う感じの展開です。
ふと、昔見た、『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』と言う作品を思い出しました。

死ぬ前はダンスが大好きな4人でした。
しかし、次に出会った時には、夏菜子、ダンスとは異なるものに打ち込んでいる3人がいました。
夏菜子はみんなを再びダンスに引込もうとします。
そして、自らの夢の世界に3人の引きずり込むのです。
その世界ではダンスを踊って、アイドルとして順風満帆に進んでいく4人がいました。
ところが、その世界は自らの命を削って作り上げたもの、彼女が死ぬとその世界は消滅します。
如何に彼女に転生を受容れさせるか、その辺りがこのミュージカルの見所になっています。

最後、彼女が転生を受容れる事を納得する直前の4人のやりとりに少しうるっと来てしまいました。
毎度の事ながら、最近は涙腺が緩んでいけません。
でも、虐めとかに遭っている人には見て欲しい作品だと思いますね。

因みに、今日の席は前から3列目という恐ろしく良い席でした。
正に天国にいるような面持ちだったりします。
前回はかなり遠いところだったので、こんな場所に来て良いのかしらと言う感じがあったりして。

千秋楽ならではのカーテンコールも良かったです。
恐らく、後ほど円板化されるでしょうが、『幕が上がる』もそんなに注目されていませんでした。
今回のミュージカルも、余りにも俗物過ぎるイメージが合って、批評家には見向きもされなかったらしいですが、その下馬評を覆すくらい良い作品だった様に思えます。

まぁ、素人が言う事ですから当てにはなりませんが。
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