ビンテージバスに会いたい [読書]
明日は健康診断なので、今日は早めに帰宅。
と言っても、18時半頃までウダウダしていたので、家に着くと20時だったのですが、鳩ヶ谷に着いた19時40分頃にふと行き先表示を見ると、目黒方面の電車に強烈な違和感が。
こんなに早い時間なのに、何故か「最終」の文字が。
確かに、相鉄線の湘南台に向う電車はこれが最終なのですが、普通、最終電車と言えば23時以降のイメージなので、こんなに早い時間の最終電車表示なんてかなり違和感しかありません。
はっきり言って、何処のローカル線かと小一時間問い詰めたくなりました。
それに、途中で乗り換えれば、湘南台まで行くことが出来るのでは無いでしょうか。
あそこまで3時間以上も掛かるのかなぁ。
そんなことはさて置き、今日も通勤の行き帰りに読んでいた本の紹介。
最近、電車の中でスマホを見るのも段々と退屈してきたので、本を読むことの方が多くなりました。
『ビンテージバスに会いたい』(加藤佳一著/山と溪谷社刊)。
ビンテージバスというと、一般的には1950年代や60年代に主流だったボンネットバスを思い浮かべることが多いのですが、最近のビンテージバスの範囲はかなり拡大して、1970年代に沖縄返還で活躍した730車、更には1980年代のスケルトンバス、1990年代の豪華貸切バスと言ったものや連節バスまで、その範疇に含まれるようです。
この本は、日本各地に存在している営業車輌、博物館に展示している車輌も含め、1990年代までの旧型のバスを一同に紹介した本です。
まぁ、個人所有のバスは含まれませんが、それでもそうした個人が集まった日本バス保存会や福山自動車時計博物館と言った、バスを何台か集めて動態保存している団体も取り上げています。
この本は2部構成になっていて、1つは動態保存というか、まだ現役としても活躍しているバス達の紹介をしています。
日本と言う国は、こうした産業遺産に対する理解が無く、例えば古い車を保有しようとしたら、バカ高い車検を通さなかったりしないといけないですし、税金も現役車輌と同じ様に掛けられ、環境対応で余計な費用が必要になったりします。
従って、耐用年数が過ぎた車輌はどんどん廃車して新しい車輌に置き換えられていくのです。
当然、廃車になったバスは解体の憂き目に遭います。
そう言えば、今月で日ノ出町の日本唯一のトレーラーバスが廃車されるそうですね。
部品が無いとの理由でしたが、技術遺産がまた一つ消えることになる訳で、とても残念なことです。
最近は鉄道なんかも大手企業なら博物館を作って、技術的なエポックメイキングな車輌は保存する傾向が強まりましたが、中小企業では逆に古い車輌はどんどん廃車・解体されています。
しかし一方で町おこしや中小バス会社の活性化の手段として、古いバスを保存して運行させるという動きも少しずつ出て来ています。
ただ、こうしたバスはエンジン部品を始めとする部品類が枯渇したり、技術を担う整備士さんがいなくなったりして、折角の動態保存車も、已むなく静態保存車になってしまう問題が有ります。
今までの日本の発展を支えてきた車輌なのですから、本来は技術伝承をすると言う意味でも、国が中心になってこうしたものを保存する努力をしないといけないのですが、そんな後ろ向きな考えはこの国には無いみたいです。
1部ではそうした課題にも触れつつ、動態保存に対する運行者の苦労を描いています。
2部は、静態保存、動態保存を含め、日本の各地にあるビンテージバスの紹介をしています。
1部で紹介したものと重複する部分もありますが、全体を網羅するという意味では、こうした本は貴重では無いかと思います。
こういったビンテージバスとしては、ボンネットバスが圧倒的に多いのですが、そうした中、意外にもトラックやら消防車などの事業用車のシャーシにバス車体を架装するケースも多く有ったりします。
そう言った来歴にも触れつつの紹介で、風景に溶け込んだバスのカラフルな車体のカラー写真と相俟って、結構興味深く読むことが出来る本でした。
以前、函館に行ったときにいすゞのボンネットバスに乗ったのですが、またこうした機会があればこうしたレトロバスに乗りに行く旅に行きたいなぁ、なんてそんな思いに駆られました。
ビンテージバスに会いたい!営業車両から博物館資料まで、全国保存バスコレクション (プラスBUS003)
- 作者: 加藤佳一
- 出版社/メーカー: 天夢人
- 発売日: 2022/08/18
- メディア: 単行本