限界鉄道 [鉄道]
今日はΟ株が猖獗を極めている中、出勤。
患者が2万人と言う事は、都民500人に1人が感染していることになるのでは無いか、と。
て事は、潜在的にはその10倍くらい無症状の人がいるでしょうから、50人に1人くらい?
1両の電車に1人は患者が居ると言うことになるのかなぁ。
冗談抜きで「お外こわい」ですよ。
この調子だと。
とは言え、明日も出勤ですし、日曜も出勤なのですが(苦笑。
さて、今更ながら銚子電鉄の話。
前の経営陣が粉飾決算だったか背任だったかで解任されて、銀行の融資も断られて完全にジリ貧に陥っていて、本業よりもぬれ煎餅の売り上げで何とか青息吐息ながら保っている鉄道会社です。
私が訪れたのは16年前。
その頃は、元営団銀座線の2000形が新車として投入されていて、彼方此方の鉄道から掻き集めた魑魅魍魎どもを駆逐していた頃だったと記憶しています。
因みに、元々この2000形は茨城の日立電鉄に行く予定だったのが、注文が9両から7両に減り、残った売れ残りの2両を銚子電鉄が引き取ったものだったりする。
その2000形は7年前に運転が終了し、10年前余り前に引退した元伊予鉄の800形電車と共にまだ車庫に保管されているらしい。
今、現役で動いているのは、京王電鉄のオールドタイマーである2010系を使っていた伊予鉄から譲受した2000系が2本と、伊予鉄で使っていた京王電鉄の5000系を譲受した3000系が1本の3本のみ。
ところが、1編成が検査で離脱して予備無しの2本で賄っていたのが、1本が故障して動ける電車が残り1本になってしまったそうです。
結構重要な部品が壊れたものの、部品が無くて修復が出来なくなり、動かなくなったらしい。
幸いにして、京王重機とか伊予鉄の協力で何とか部品を確保して(富士急の5000系辺りからカニバってきたのかしら)、何とか2本体制に戻す事が出来たそうですが、かなり危うい展開ですね。
車体は錆さえ落とせば何とかなりますが、マスコンとかブレーキ、台車部品やモーター部品が壊れたらお手上げでしょう。
カルダン駆動と雖も、2000系は井の頭線旧1000系の電装品を流用していますし、そもそも車体と台車は60年以上経った代物で、3000系は東武2000系の廃車発生品を流用しているとは言え、これも車体は50年経過したもの。
京王5000系は各地に譲渡された車輌もフェードアウトが始まったところで、まだ廃車があるので部品を流用することは可能でしょうが、今後はそんな車輌も無くなっていくので、ちゃんと部品を入手しておかないと次に壊れたら為す術が無いでしょうね。
それにも増して辛いのは、16m級の小型車は銀座線か丸ノ内線しか無いですし、18m級の電車も日比谷線が20m化したので、出物が無くなっていくと言う事。
最近までは東京メトロの銀座線01系や丸ノ内線02系がどんどん廃車されていたのですが、今は1000系、2000系に転換されたので、約20年は車両の入替が無いでしょう。
その他の私鉄はJRも含め大体が20m車になっています。
しかも、それらはカルダン駆動よりも一歩進んだVVVF制御で動いている車輌ですから、既存の知識では修理が出来ません。
昔の車輌なら部品を手作りしてと言う職人芸的な作業で何とかなるのですが、VVVFとかは完全にブラックボックスですから、壊れたら素子ごと総取っ替えとかになるでしょうし、内製は無理なわけで、何かあれば、メーカーに在庫部品が無い状態なら、同じ様な目に遭いかねない訳です。
それに、メーカーに泣き付くにしても、内製よりは費用が掛かりますからね。
また電気設備についても課題があります。
最近の電気鉄道で使っている電気は直流1,500Vです。
ところが銚子電鉄は同じ直流でも600V。
銚子でJRと接続しながら、乗り入れが出来ないのはこれが原因(まぁ他に車体長の問題もありますが)。
無理すれば1,500Vで動く電車を600Vで動かすことは出来ますが、逆は無理です。
こうした電気設備も老朽化してるでしょうから、近い将来電気設備を更新する必要が出てきます。
以前なら東急が600Vの設備を持っていたのですが、それらは全部地方私鉄に売り払ってしまいましたから、今から600Vの設備を購入するにもかなりの資金が掛かります。
そうなると、電気設備を撤去して気動車化すると言う手も無きにしも非ず。
実際に、東北にあった栗原電鉄はレールバス化しました。
しかしこれも善し悪しで、気動車は車輌寿命が電車に比べると短いと言う欠点があります。
阿佐海岸鉄道の様に、DMV化すると言うのもありますが、これでもそれなりの投資が必要で、果して弱小な企業である銚子電鉄にそんな資金が捻出できるかと言う問題があります。
本来は県や国が交通網の整備という位置づけで補助金を出すのが一番良いのですが、この国は交通関係の業者にはとことん冷たいからねぇ。
今回の危機を乗り越えたとは言え、銚子電鉄の先は余り明るくないなぁと言うのが正直なところです。