SSブログ

幻島図鑑 [読書]

IBE_A330-200_MIL_0008.jpg

今日は久々に口角泡を飛ばしての議論。
結果、他の人にやっと1つ作業を委託することが出来たので良しとする。
後はその人がどうやって仕事を進めていくか、乞うご期待です。

それにしても、給料半分になった人達に仕事をさせるのは骨が折れます。
何しろ、「俺たちは給料半分だから半分だけの仕事しかしないぞ」と言うくらいですから。
管理職は辛いよ(ぉ。

さて、ここ最近、通勤の行き帰りに読んでいた本の紹介。

『幻島図鑑 ~不思議な島の物語~』(清水浩史著/河出書房新社刊)
前に読んだ『秘島図鑑』、『深夜航路』と同じ人の著書です。
この本は2つのパートに分かれていて、最初に島の紹介を簡単に写真を交えて行い、後半のパートではそれぞれの島への紀行文になっています。

因みに、つい先日、「日本の北の領海が減少する」と言う報道で話題となった、北海道の消滅した島、エサンベ島北小島の消失を最初に発見したのがこの人。
裏話が書いてあって、普通に国土交通省、国土地理院、海上保安庁などに通報してもその侭たらい回しにされた上、握りつぶされてしまうのがオチだと思って、新聞社の遊軍記者に連絡を取り、彼等が騒ぎ立てることで事を公にしようと考えたらしい。

結局、その通りになって、しかも調査の結果、それは国際海洋法上の島では無いとされて日本の領海は減ったそうです。
とは言え、それでこの人を責めるのは酷です。
そもそも、1987年に測量したときに既に海面上1.4mにしか出ておらず、命名された2014年には既に没していた可能性が高いのに、国土地理院が地形図を作成した際には誰も現地を確認しようとしなかった訳で。
そう考えると、公務員の仕事の典型という感じがします。

それは兎も角、本書では、海中に没して消えてしまった島、いままさに虫の浸食によって消滅しようとしている島、以前、つい最近まで人が住んでいたのに、高度経済成長の波に呑まれて人がどんどんいなくなり、今では完全に無人化してしまった島、高齢化や学校統廃合に伴い、人が流出していき、最早風前の灯火と言った島、その昔、活況を呈していた石炭産業の維持の為に作られた人工島、人が住んでいないけれど宗教的な聖地の島などに、近付いて、そして上陸して、有人島であれば人に会って話をすると言う事をして、その印象をそれぞれ紀行文として掲載しています。

そうした島々を訪れることで、人間の幸せとは何だろう、都市の繁栄とは何だろうと言った命題を読者に問いかけている様に思えます。
本書を読んでいると、どうも旅に出たくなります。
そして、島を眺めながら1日を過ごしたい衝動に駆られてしまいますね。

と言いつつ、私も明日からまた島を巡る旅に出掛けたりするのですが。

幻島図鑑: 不思議な島の物語

幻島図鑑: 不思議な島の物語

  • 作者: 清水浩史
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/07/09
  • メディア: 単行本



タグ:生活 読書
nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1