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東南アジア全鉄道制覇の旅(インドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア編) [読書]

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今日は久々に書店に寄ってから帰宅。
明日は朝から雨なら何処にも出ずに家に引き籠り、天気が保っていれば、成田にでも行ってこようかと思っています。
今のところ、天気予報は夕方近くから雨の予報ですからね。
それにしても、今月は殆ど雨で、太陽を見たのが滅多に無かった様に思えます。

さて、読書の秋という訳ではありませんが、昨日に引き続き本の話。

『東南アジア全鉄道制覇の旅(インドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア編)』(下川裕治著/双葉文庫刊)

東南アジアをベースに活動しているトラベルライターが、東南アジア11カ国の鉄道を総て乗りつぶすと言う壮大な、と言うか、どちらかと言えば無謀な目的を掲げて連載を開始したのが始まり。
この作者の文章については、好き嫌い分れるかも知れません。
ムラッけがあると言うか、何じゃこれと思うものもあれば、面白くてサクサク読めてしまうものも。

今回の作品は後者になります。
大ボケをこいたことに、元々、『東南アジア全鉄道制覇の旅(タイ・ミャンマー迷走編)』が最初に出ていて、その続編という位置づけでした。
本来なら、こちらを先に読んで、東南アジアの鉄道に対する耐性を付けてから、今回の作品を読むべきだったのかも知れません。

しかし、読み始めてしまったものは仕方ない。
副題にもある様に、東南アジアで鉄道が運行されている国のうち、フィリピンは既に乗りつぶしていた(と言っても、マルコス政権からこっち、彼の国の鉄道はどんどん衰退していく一方ですが)ので外し、前回の作品で書いたタイとミャンマーの鉄道以外に鉄道が走っている残りの国について書いたものです。

順番的にはマレーシアから始めて、ヴェトナム、カンボジアと続き、この旅のメインイベントであるインドネシアの鉄道制覇の旅が3章に渡って続きます。

日本の鉄道乗り潰しと異なり、時刻表というのが役に立たない、また、路線がどうなっているのか、現地に行かないと判らないと言う、情報の少ない状態で現地に出掛け、その少ない情報を分析してルートを決めるというのも、日本の鉄道旅行と異なるアプローチで目新しいもの。

鉄路が繋がっていても、途中で分断されているとか、幹線なのに1日の本数が1桁と言う、何のための幹線か判らない運行本数で都市間連絡と言う目的を全く果たしてない鉄道だったり、名鉄の碧南方面行き特急の様や東武の佐野行き急行の様に、豪華な装備を持つ優等列車が、中心都市から走ってきても終点が盲腸線の駅になっていたりするので、地域の人の足では無い、これまた何のために走らせているのか判らない運行形態だったりというのが頻繁に見られます。

よって、鉄路のネットワークは全く考慮されておらず、勿論、ダイヤ通りに走る鉄道なんて希有な存在であるため、線と線との間の連絡もぐちゃぐちゃで、1カ国1週間程度で簡単に制覇できると思っていたのが、足かけ3年以上旅しても、未だ完乗できないと言う状態です。
その上、最近の東南アジア諸国は日本の高度経済成長宜しく、高成長が続いていて都市集中が進んでいる反面、社会インフラの整備が追いついていないので、休みになると都市部発のほぼ全ての列車の切符が売りきれると言う現象も起きています。
なのに、サービスは二の次なのが東南アジア的。

一方で、LCCの発達、手っ取り早く小資本でも参入できるバスが続々出来、それらは利便性をどんどん向上させていくため、古いインフラしかない鉄道はどんどん置いてきぼりにされて時代に取り残されています。
そう言った面にも触れつつ、政治家の見栄というのもあるのか、「我田引鉄」は何処でも共通で、サービスは二の次で新線が誕生する事も有ります。

なので、今後もこの人の乗り潰しの旅は続く事になりそうです。







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