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ジェット旅客機進化論 [日記]

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今日は寒かったので、久々の重装備。
ハーフコートからオーバーにして、下にセーターを着込んで分厚い靴下を履いて。
しかし、行きはそれで十分だったのに、帰りは汗を掻きました。

さて、今日はここ数ヶ月、トイレで読んでいた本の紹介。
『ジェット旅客機進化論』(浜田一穂著/イカロス出版刊)。
同社から出ている『月刊エアライン』の連載に最新情報を加筆したもので、550ページ近くの大作です。

なので、夏から読み始めてやっと読み終えました。
内容はと言えば、タイトル通り、CometからA.350までのジェット旅客機を、登場順に並べて考察していった本です。

基本的な内容は、2010年から2013年までの連載なので、加筆したものはメインストリームのエアライナーであるB.747-8、B.787、B.737-MAX、A.320neo、A.380、A.350のみです。
資料が少なすぎたからか、B.737-MAXの墜落事故には触れられていませんし、B.787でも電池の相次ぐ発火などについても記述がありません。

また、近年のエポックメイキングな機体である短距離コミュータジェット機については、一切触れられていません。
これくらいの大著になるのだったら、上下巻にして、上巻で過去の機体、下巻で現用の機体という感じにして欲しかったなと思いました。

内容がかなり専門的で、色々な事例に触れているので、過去の機体を振り返るのであれば十分な資料的価値のある書籍なだけにそこだけが残念です。
まぁ、エンブラエルのEジェットシリーズとか、CRJとかA.220と言ったものを好む読者は然程いないとは思いますが。

でも、同じくらいの内容だったら結構読めるように思えたのですがねぇ。
少なくとも、EジェットとCRJは日本でも就航しているのですから。
その辺は、毎年出されている年鑑を読めと言う事なのでしょうか。

この本で取り上げている機体は、大体1機種10ページほどの記述です。
勿論、B.707とかB.747、DC-9、DC-10の様に、長期間作られているシリーズは2分割されていたりしますが、本当に少数しか作られていない、ダッソーメルクールの様な機体でもちゃんとそれだけの分量を確保して記述しています。

それらの機体が何で売れなかったのか、或いはベストセラー旅客機となった機体は何が良くて売れたのか、逆に最初好調でも、その後躓いた機体だとか、その辺の解説もきちんとあったりして、興味深く読むことが出来ました。

まぁ色々と論うのは、後知恵と言えばそうですが、そうは言いつつも、現在の視点から見てベストセラーの機体でも、実際にはこの部分がマイナス点だったとか言う記述もあるので、現代の目から昔のメカニズムを回顧すると言う意味もあるのかも知れません。

日本で出版される本は、YXとかYXXがボーイングとの協業なので、米国の機体に偏る事が多いのですが、欧州やソ連の機体に言及しているのも好ましい点だと思います。
それだけに、所々こぼれ落ちた機体が発生しているのが勿体ないなぁと思いました。
たった6機しか作られなかったメルクールを取り上げるのなら、それよりも作られたVFW614とかも上げて欲しかったぞと言うのは、余りにもご無体な願いなのでしょうか。

今後、続編が出て、その辺りの機体も補完されることを願います。

ジェット旅客機進化論 ~Jet Airliner Technical Analysis

ジェット旅客機進化論 ~Jet Airliner Technical Analysis

  • 作者: 浜田 一穂
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2021/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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