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モノクロームの軽便鉄道 [読書]

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先日4TBのディスクを交換したばかりなのに、編集前の写真の一時保管用に使っている4TBのディスクが壊れてしまい、昨日はパーティションコピーやディスクコピーをしたのですが、これまた失敗。
別のバックアップソフトでパーティションコピーを取っていたら、途中まではすんなり行っていたのですが、75%から進まず、朝になったのでそのまま放置していたのに、帰ってきても75%のまま。
結局、パーティションコピーは諦め、単純にWindowsのコピーと貼付けで対応する事にしました。
どれくらい掛かるのかが分かりませんが、転けたら転けたときのことです。
とは言え、未編集の写真でエラーとかになったら泣くしか無いのですが。

と言う訳で、このところ、寝室で読んでいた本の紹介。
以前、『モノクロームの私鉄原風景』と言う本を紹介したのですが、その続編とも言うべき『モノクロームの軽便鉄道』(諸河久著/イカロス出版刊)です。

その昔、モータリゼーションが到来していない時代、人々の移動手段は二本足で歩く、精々が家畜(馬や牛)を利用する程度しか有りませんでした。
明治に入ると、それに加えて鉄道、そして馬車鉄道、市街鉄道と言うのが出現しますが、鉄道は敷居が高いものでした。
それを身近にしたのが、軽便鉄道法という法律。

かくして、日本列島津々浦々に、鉄路が張り巡らされて行きます。
勿論、鉄道と言っても、費用を安く上げるために動力源は様々で、蒸気機関車とか時代が下るとガソリンエンジン、ディーゼルエンジンと言った内燃機関はもとより、牛や馬の畜力やら果ては人力に至るまで使われています。

しかしながら、自動車が普及し始め、道さえあればルートを様々に設定できるバスが出て来ると、軽便鉄道はどんどん淘汰されていきました。

この本は、モータリゼーションが進み、軽便鉄道が淘汰される寸前の最後の光芒を放っていた1960年代の各地の軽便鉄道の写真集です。
諸河久さんは、鉄道写真を生業にしている今では大御所のカメラマンですが、学生時代に各地の鉄道に赴いて写真を撮っており、その数も膨大なものになります。
現在の眼から見れば稚拙な作品だと謙遜されていますが、当時の生活風景もちゃんと切り取っていて、作品としても成り立っていますし、一方で、その鉄道会社の車輌の記録写真もしっかり残っています。

今となっては、殆どが幻の鉄道ですし、車輌群ですが、鮮明な画像で残っている貴重な写真達です。
この写真集は、南の軽便鉄道から順番に、井笠鉄道、下津井電鉄、三重電気鉄道、尾小屋鉄道、遠州鉄道奥山線、静岡鉄道駿遠線、頸城鉄道自動車、越後交通栃尾線、日本硫黄観光鉄道、宮城バス登米線、花巻電鉄が取り上げられています。

特に頸城鉄道自動車のコッペルや静岡鉄道駿遠線の「蒙古の戦車」シリーズの蒸気機関車改造ディーゼル機関車はかなり貴重な記録と言えますし、それぞれの中の人達と仲良くなって、裏話を聞いたりしてそれを記録してもいて、一種のオーラルヒストリーの記録でもあります。

また、歌登町営軌道の鮮明な画像もあります。
北海道の簡易軌道の記録は殆ど残っておらず、これまた貴重な記録です。

そりゃ、カラーで残っていれば、どんな色だったかなどの情報は更に得られるとは思いますが、当時、日本は貧しくてカラーフィルムなんてのはかなりの高級品でしたから、それは高望みだと思います。

コラムも程良く纏まっていて、しかも実際に体験したものですから、説得力が違いますね。
毎回のことながら、このシリーズでは色々な貴重な記録を見させていただいてありがとうございますと言う気持ちです。

モノクロームの軽便鉄道 (イカロス・ムック)

モノクロームの軽便鉄道 (イカロス・ムック)

  • 作者: 諸河 久
  • 出版社/メーカー: イカロス出版
  • 発売日: 2019/11/28
  • メディア: ムック


タグ:読書 雑記 鉄道
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