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ヘンな名湯 [読書]

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毎度のことながら、仕事が中々進みません。
生産性向上とか言いながら、会議会議で生産性を下げているのでは無いかなどと思ってしまう今日この頃です。

さて、今日はここ最近読んでいた本について。
結構なペースで本が読めているのですが、当りの本ならサクサク読める反面、外れの本を読んだときの疲れったらありゃしません。
今日読んでいた本が正にそれでした。

話を戻して、本のタイトルは、『ヘンな名湯』(岩本薫著/みらいパブリッシング刊)。
文字通り、温泉の紹介本なのですが、ちゃんとした…と言うか良く見られる様な観光地となっている温泉旅館や鄙びた湯治宿とかとは異なり、知る人ぞ知る、もしくは周辺住民しか知らないような温泉が、多数紹介されています。

いずれもちゃんとした温泉であって、お湯を沸かして温泉の素を入れて、温泉でございと言っているような、なんちゃって温泉ではありませんし、人工ラドン温泉みたいな人の手で創り出された温泉でもありません。
まぁ、日本列島を100m程度掘り進めれば幾らでも温泉が出て来る訳ですが。

最初の方は日帰り入浴施設などの紹介があります。
ただ、そこの温泉は、一癖も二癖もある温泉で、石油を掘削していたら噴出したため、油混じりの温泉となっているとか、アンモニア臭漂う温泉だとか。

宗教施設にも温泉があります。
そう言えば、以前行った秩父神社にも温泉がありましたね。
秩父神社のは立派でしたが、恐山にも温泉があります。
こちらは目立たない小さな建物で、本来は斎戒沐浴用の温泉なのですが、それがまたいい湯だそうです。

温泉と言えば、怪しさ満点の秘宝館なんてのも昔はよくありましたが、施設の彼方此方に何のために置かれているのか分からない不気味な人形などの展示物が置いてあって、夜に余り入浴に行きたくない温泉なんてのもあったり、かと思えば、以前温泉旅館だったものが店を畳んだことで温泉のある場所も崩壊が進み、でも、お湯は名湯なので入りに行く人が後を絶たない温泉だとか、誰も湯量を管理しないため、源泉掛け流しで湯船に入りきらずに洗い場まで温泉が侵出してしまった温泉も取り上げられています。

全く業態が違う事業体が運営している温泉というのも其処此処にあります。
よくあるのが、家の浴用に温泉を掘ったら、思いもよらずいい泉質の温泉が湧き、口コミで近所の人が入りに来たら、更に口コミが拡がってとうとう温泉施設を開設してしまった、と言うもの。
青森では自動車修理工場が、福島では肉屋が、魚屋が、電気屋が温泉施設を営んでいますし、福島の電気屋さんは何と素泊まりも出来てしまうそうです。

また温泉に入ったらフルーツ牛乳、一息ついたら美味しい御飯という組合せも欠かせません。
山梨などではラーメン屋や食堂のレジの奥に温泉がありますし、箱根では釜飯を待っている間にひとっ風呂と言う温泉もあります。

こうした変さを競った温泉がこの本では取り上げられていますが、最初に書いた様に、みんなちゃんとした温泉が湧出している場所ばかりです。

こんな面白い温泉をこれでもかと見せられていると、本当にこの温泉に入りに行こうか、と思ってしまうくらいです。
これから冬に向って温かい温泉が恋しくなる季節ですから、この本を片手に手拭いをぶら下げて温泉に行くのも乙なものですね。
ただ、地元密着型の温泉ですから、くれぐれもTPOは守って欲しいと思います。

ヘンな名湯

ヘンな名湯

  • 作者: 岩本薫
  • 出版社/メーカー: みらいパブリッシング
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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