SSブログ

東南アジア4カ国を走る日本の電車・気動車 [読書]

GTI_B747-400F(SCD)_419MC_0006.jpg

昨日より今日は空が保ち、成田ではKLMはOrange Pride‬ Livery、Etihadは、Special Olympics Livery、MIAT MongolianはB.767-300ER、そして、Air Macauは新型機、久々のPakistan International AirlinesのB.777-200ERの飛来と盛り沢山でしたが、仕事なので行けず仕舞い。

週末は何処かに遠征に行こうと思っているのですが、既にこの日程ですから交通費は高い、高速バスは取れないと二重苦、三重苦に苦しめられています。
そして、関空は昨日まで週末は南風運用だったのに、1日ズレました。
日曜は成田に行こうと思っているし、月曜は雨なので行けない。
更によりにもよって、金曜に限って、早く帰ろうと思ったのに本番移行を押し付けてくると言うね。
好い加減にしろと言いたい。

愚痴っていても始まらないので、ここ最近読んでいた本の紹介。

『東南アジア4カ国を走る日本の電車・気動車 -ミャンマー、フィリピン、インドネシア、マレーシアに渡った車両の歩みと現況-』(斎藤幹雄著/かや書房刊(かや鉄BOOK 02))

結構長い題名に全てが表されているのですが、日本の鉄道で廃車になった車両が、重機の餌食にならず、第2の人生(車生?)を海外で送っているのは鉄道好きの人には常識かも知れませんが、然りとて、それらの車両が一体どんな状況なのか、現地を訪れることも無いのでイマイチよく判っていません。
この本は、そうした海外鉄第一人者の作者が、現地を訪れて、実際に調査をした結果を纏めたものです。

最近では、東南アジアもLCCの御陰で安く、そして手軽に行けるようになり、海外に出掛ける人も多くなっています。
鉄ちゃんの間でも、こうした分野への興味が高まっていると思うのですが、そうした人達に対するバイブル的な本になっています。
特に現地情勢について触れている点については、非常に参考になるものです。
現地の治安や両替、交通手段その他様々な情報は、現地で集めるのは苦労するものです。
そうした部分は巻末にきちんと纏められているので、撮影行の参考になります。

ただ、原則的に駅撮りが出来ないので、トラブルを避けるためにも駅での撮影は回避すべしと書いています。
となると沿線で撮影するしかないのですが、それはそれで治安の問題があると思います。
ただ海外のこの種の本の常で、沿線についてはどの場所が良いのか、そう言った情報は殆ど書かれません。
これは致し方の無い所で、例え沿線でも、三脚を立てて撮影などしていたら、咎め立てを食らう可能性がありますから、そこは自己責任でと言う事なのかな、と。
しかも日本と異なり、ダイヤはあってないようなものですし、そもそもその路線が運航しているかどうかも、下川さんの本を読んでみれば判りますが、かなり怪しかったりします。
その辺の部分は現地で確認するか、ガイドに頼りなさいと言う事なのかも知れません。

ミャンマーでは、日本から第三セクターや転換路線のレールバスや軽快気動車が輸出されていますが、経済制裁を受けて部品供給もままならず、徐々にフェードアウトしています。
代ってやって来たのは、JRから放出された国鉄形気動車です。
JR各社が車両を輸出すると共に、JR東日本が技術移転を進めて大分メンテナンスもしっかりしてきていますが、日本でも整備に手こずった特急形気動車は遂にものにはなりませんでした。
キハ182とかキハ183がミャンマーに渡っていたのは初めて知りました。
それにしても、この辺、国鉄形気動車の方が発展途上国にマッチしているんですね。
因みに一部電化された路線のため、広電から元西鉄の連接車や大阪市電が輸出されたのですが、数ヶ月で運航中止になったそうです。

フィリピンでは気動車や客車、寝台車が各種輸出されたのですが、何れも長続きせず、今、主力になっているのはJR東日本の203系電車です。
ただ、電車としては使われず、ディーゼル機関車に牽引されている客車として用いられていると言う、日本的には斜め上の運用。

電車としてちゃんと使われているのはインドネシアです。
当初は103系が4連でちまちま走っていたのですが、電車が交通手段として認知されると、12両編成の205系が行き交うと言う、かなり本格的な輸送手段となっています。
今でも、武蔵野線の205系が新潟まで運ばれ、インドネシアに輸送されています。

最後のマレーシアは、今は現役では無く、半分引退している状態。
寝台列車用の客車、寝台車がJR西日本から、会津鉄道から元名鉄の特急形気動車が輸出されています。
客車はほぼ運転中止ですが、特急形気動車は1両だけが生き延びて、団体輸送用に使われているそうです。

こうして見ていくと、インフラの輸出は、機器の輸出だけでは無く、それを運航するノウハウの輸出も欠かせないのだなぁ、と思います。
そうした技術を上手く活用しているのが現在の輸出大国である中国であり、韓国なのでは無いか、と。
技術的には手慣れたものを使っているのだから、もう少し日本もノウハウの輸出を考えた方が良いように思えます。

東南アジア4ヶ国を走る日本の電車・気動車 (かや鉄BOOK)

東南アジア4ヶ国を走る日本の電車・気動車 (かや鉄BOOK)

  • 作者: 斎藤 幹雄
  • 出版社/メーカー: かや書房
  • 発売日: 2019/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0) 
共通テーマ:

nice! 0