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シトロエンの一世紀 [読書]

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今日は全体的にドタバタして何も出来ず。
じっと手を見る生活が続きます。
さっきまで家で仕事していたし。

さて、今日はトイレの中で読んでいた本の紹介。

『シトロエンの一世紀 革新性の追求』(武田 隆著/グランプリ出版刊)
文字通り、シトロエンの社史的な本で、全体が300ページ余に渡っています。
ただ、公式的な社史というわけでは無く、いくつかの資料を読み込んで著者が纏めたものとなっています。

まずはアンドレ・シトロエンと言う人物に重きを置いた記述で、次にアンドレ・シトロエンが悲劇の退場を遂げた後、ミシュラン体制に組み込まれてからのトランクシオンアヴァン、2CV、DSと個性的な車を次々に出した黄金時代、それから、ミシュラン体制を離れ、フィアットと提携するなどの混迷時代、最後に、プジョーに買収されて現代に至る新しい時代の4つの時代区分に分けた記述です。

当然、資料の多い起業時代、ミシュラン体制に組み込まれた時代は詳しく書かれているのですが、混迷時代と現在進行形であるプジョー傘下の時代については、余り詳しい記述がありません。
個人的には、前半が余りに微に入り細に入り書かれていたので、後半にも期待したのですが、少し拍子抜け。

まぁ、現在進行形の部分については致し方の無いところにしても、混迷時代のアミやディアーヌ、GS、SM、CXについては紙幅を割いて欲しかったところです。
逆に先代モデルとの落差があって書きにくかったのかも知れませんが。

不満ついでに書くとすれば、商用車についても詳しく触れて欲しかったなぁ、と。
元々2CVが農民車であり、かつ商用車の一種でもあった訳ですから、それから発展したTypeHとかもシトロエン的にはエポックメイキングな車だと思ったので。

限りあるページですから、傍流である商用車はおざなりになるのは仕方が無い所だと理解していますが、前半の記述がしっかりしている分、無理に後段のプジョー傘下時代を組み込まなくても良かった様な気がします。
(ただ、そうすると先達の本と差別化が図れないという問題はありますから、独自性を発揮するには、現代のプジョー傘下時代を組み込まざるを得なかったのでは無いか、と推察しますが)

とは言え、日本語の書籍でフランスの自動車に書いた書物が少ないですから、これは一つの価値がある書物だと思いますし、現代のPSA内部でのシトロエンの立ち位置や、デザインの拘りについての考察も参考になりました。

もう少しページ数があれば、更にシトロエンの海外展開についても面白い話が期待できたと思いますけど、などとまた愚痴を書いてしまう。
まぁね、前半の内容が良かっただけに、後半の部分の煮え切れ無さが目に付いてしまってこうした記述になってしまったことをお許しください。

シトロエンの一世紀―革新性の追求

シトロエンの一世紀―革新性の追求

  • 作者: 武田 隆
  • 出版社/メーカー: グランプリ出版
  • 発売日: 2013/02/01
  • メディア: 単行本


タグ:読書 自動車
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