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教養としての「国名の正体」 [読書]

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今日の帰りは天気予報通り雨。
会社の窓から覗いてみたら、誰も傘を差していなかったのに、出入口を出たらシトシトと霧雨が降っていました。
まぁ、100mくらい歩けば狭いながらも雨除けがあるので、そこまで傘を差さなくてもいいと言う考えは理解できますが…。
そして、毎日折り畳み傘は持ち歩いているので、然程被害はありませんが、何か負けた様な気がする。

てな訳で、今日は通勤の行き帰りに読んでいた本の紹介。
面白いとサクサク読んでしまうので、本の紹介もインターバルが短いのですが、読みにくかったり、独り善がりだったり、面白くなかったりした場合は殆ど進みません。
で、今回の場合は…微妙。

『教養としての「国名の正体」』(藤井青銅著/柏書房刊)
一言で書いてしまえば、題名の如く、世界各国の国名を紐解いて、その成り立ちを書いていくと言う本になります。
まぁ、歴史好きとか地理好きの人にからしてみれば、当たり前の知識だったりするので新鮮味は無いかも知れないですし、読んで失望する人もいるかも知れません。
こんな本だったら、わざわざハードカバー判型にしなくとも、文庫本サイズでも良いのでは無いだろうか、とも思うのでは。

それでも、2019年現在地球上に存在する各国の国名の成り立ちを調べたのは素直に敬意を表します。
それらを類型化して、グループ分けしていくと言う切り口は意外に斬新かも知れません。

とは言え、不満を言えば切りが無いのですが、ページが彼方此方飛ぶのが読みにくいなぁと言うのが最大の不満です。
1つの国名の成り立ちについて巻末にある程度纏まった表がありますが、どうせなら1つの国に対して半ページくらいのスペースで成り立ちと分類を掲載した方が良かったのでは無いかと。

前半はそんな感じで書いて、後半はその分類についての考察を書いた方が分かりよい体裁になったのでは無いだろうかと思ってみたりして。
それと、毎回章末にとってつけたように日本と言う国についての考察が入っているのですが、これも一纏めにした方が読みやすかったような気がします。
そう言う意味では編集さんの力量不足では無いだろうか。

因みに書いている人はどんな人なんだろうと思ったのですが、意外にも地理学者とか歴史学者と言った人では無く、作家とか脚本家とかプロデューサーとかそんなことをしている人らしい。
作家さんだけあって、文体自体は読みやすいのですが、専門家ほど深くなく、何か表層的な感じでした。
現地語の国名についてもサラリと触れられているだけなのですが、この辺、言語学者とかだったら更に突っ込んだ文章が書けるのでは無いかなぁと思ってみたりして。
専門家とのcollaborationをすれば、もっと知的欲求を満たすような本になったのでは無いかとも。

国名の成り立ちという着眼点は良かったのですが、もう一掘りが足りなかったなぁと言う本でした。
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