SSブログ

1+1≠1 [日記]

CHH_B737-800_B-5481_0003.jpg

今日も出勤。
しかし、打合せをする相手が体調不良でお休みしたので、仕事が進まない進まない。
こんな感じでここ数日はのんびりして、殆ど仕事をしていません。

時に品質不正の話を聞いて、大発でもそうだし自動織機でもそうなのですが、短期間で開発するので無理が出るんじゃ無いかなぁと思いましたね。
そりゃ、短期間で開発して他社を出し抜く必要があると言うのは理解します。
しかし、1と1を足しても2であって、1にはなりません。

最近はタイパとか言うのが流行っているようですが、タイパを求めて、例えばコンビニで御飯を買うと言う行為。
料理をする必要が無くて、家に持って帰れば直ぐに食べられますが、本来その料理を作るために消費する時間と言うのはコンビニの店頭に並ぶ前に、工場で消費されている訳ですよね。

自分は時短をしているつもりですが、トータルとして料理として存在するまでの時間は実が変化が無い。
場合に依っては、本来の料理に使うだけのエネルギーよりも多くのエネルギーを消費するわけで、数十分の時間を確保するために、それ以上の時間が掛っているのでは無いかと思ったりします。

肉にしろ野菜にしろ、それを育てて出荷するためには膨大な時間が掛っていて、我々はその果実を貪り食っているに過ぎません。
その時間を短縮すると、動物にしろ植物にしろかなりのストレスを与えることになり、本来の旨味を失ってしまう。

物作りもそれと同じで、短縮だなんだと言って、例えばほんの数%かの生産効率を上げると言っても、その効率のために何処かを削らないと駄目な訳で、それが部品の取り付け時間を削ったり、部品の在庫を持たなくしたり、濡れ雑巾を絞る様に無駄を省こうとするのですが、それが続くと遂には本来削ってはいけないところを削るところに手を出す。

今回の不正は正に削ってはいけないところを削ったのでしょう。
特に検査や安全なんて言うのは、会社から見たら利益を最も生まないところで、残念ながら真っ先に削られる対象となります。
だから労災とかが減らないですし、今回の様に人の命にかかわるところを蔑ろにしたのでしょう。

本来、指弾すべきは現場では無く、その現場の効率化とやらを指導していた経営層であるべきなのですが、残念なことに日本は既に人治の国ですから、中間管理職の尻尾切りで済ませられるのでしょう。
日本の物作りの衰退というのは、こうしたところから始まっていった訳で、造船、重電、家電メーカーからとうとう自動車産業にまで及んだと言う事でしょうね。
そして、数年後には自動車産業も凋落して、日本に物作りというのが無くなっている様な気がします。

この流れに棹さすことが出来るかどうかが、世界最大の自動車メーカーに問われることになるのかな、と考えたりする。
正直、6月の株主総会に向けて総務部門は頭を悩ましていることでしょうが、まぁ、自業自得な所は有りますよね。
世界一を目指して、余りにも自惚れが強すぎたのでは無いでしょうか。

また江戸時代に戻る歯車が回った様な気がします。
nice!(12) 
共通テーマ:日記・雑感