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旧国名で見る日本地図帳 [読書]

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一日休みを取ろうと思ったら、それが半日に減らされ、半日の休みを取るために3日残業をしなければならないと言う人手不足状態が常態化している日々、皆様如何お過ごしでしょうか。
御陰様で、処理したい作業が中々進みません。

さて、そんなこんなで、暫く寝室で寝る前に読んでいた本の紹介。
大体、寝室で寝る前と言うのは余り考える必要の無いもので、尚且つ文字が小さなものは避ける様にしています。

その点、地図なんて言うものは寝る前に読むものとして格好の読み物になります。
今回読んでいたのは、『旧国名で見る日本地図帳 お国アトラス』(平凡社刊)。

そもそも、明治時代初期まで地図とか国絵図と言えば、道府県単位にはなっていません。
まぁ、道府県なんて言うものは、明治時代もかなり経過してから固まってきたものであって、中央集権体制が進んでいない頃の日本の地図と言うのは、律令国家以来連綿と受け継がれてきた「国」と言うのが基本単位でした。

何時しか、日本地図は道府県、そして都道府県単位で記載されるようになり、「国」というものは消え去っていったのですが、令和のいまになって、地図を作る新しい視点として取り上げたのが、旧国名です。
旧国名は、色々と変遷があったのですが、この地図自体は、明治初期の頃の旧国名を基本にしています。
なので、陸奥は陸奥(りくおう)、陸中、陸前になっていますし、出羽は羽前と羽後に分かれています。

地図自体は、旧国名の領域を示し、石高とか名産品など、後、コラムが所々鏤められています。
データ欄には、旧国名の範囲と現在の都道府県境の範囲も示されていて、下野の様に後に設置された県と国の領域が全く同じ所もあれば、武蔵や摂津のように1つの国が2、ないし3都府県に分かれてしまった場所もあります。
逆に、石川県や福島県、千葉県の様に、何カ国かが寄り集まった場所もあります。

また陸奥(りくおう)の様に、全体としては青森県とほぼ同じ領域ですが、一部が岩手県に切り取られたり、羽後と羽前でも山形と秋田との間に微妙な割譲があったりして、この背景には何があったのか、歴史の興味を惹くような場所もありますね。

地図なので、特に深い記述は無いのですが、これを切っ掛けに、興味を持った地域を調べるのも楽しみ方の一つかも知れません。

まぁ、現在でもお国自慢をする場合には、都道府県では無く旧国名で語ることも多いですからね。
律令国家以来のDNAは、明治か百数十年経過してもおいそれとは変わらないのでは無いかと思いを馳せたりする訳です。

旧国名でみる日本地図帳

旧国名でみる日本地図帳

  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: 単行本



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