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小型・軽トラック年代記 [読書]

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今日は8時半から監査事務所が来ると言うので、慌てて会社へ。
少し遅れて行ったのですが、案の定というか監査事務所もリモート対応で、会議は10時から。
昨晩は変な姿勢で寝ていたので、痺れが切れてまともに歩けなかったので、もう少し落ち着いてから行けば良かったです。

さて、ここ数日で読み終えた本の紹介。
『小型・軽トラック年代記 三輪自動車の隆盛と四輪車の台頭 1904-1969』(桂木洋二著/グランプリ出版刊)

以前にも同じ様な本を読んだ覚えがあったのですが、2006年にも同じ本を出していて、増補改訂版的な扱いなのでしょうか。
そうそう小型トラック、軽トラックとして纏まった本はなかった訳で。
何でも、いすゞエルフ誕生60周年記念で書かれた本らしい。

日本の自動車と言うのは、バスやらトラックと言った商用車からスタートした訳ですが、時代が進むにつれて国産車製作の動きが強まってきます。
ただ、欧米と同じ規模の車ではその品質や価格に太刀打ち出来ないのは明確でしたから、国産自動車の開発者達は、欧米と同じ土俵に乗らず、一回り小さなミニカーとでも言うべき小型車を開発することにしました。

当時、日本では免許制度が作られたものの、大型車のみ免許が必要で、小型の人力車に毛の生えたような車やらオートバイには免許が不要という時代が長く続きました。
従って、この様な人々の手に入る車が作られるようになった訳です。

しかし、最初は自転車にエンジンを付けたような、所謂「バタバタ」からのスタート。
次にその「バタバタ」にリヤカーを繋げて三輪にしたのが三輪自動車の始まり。
三輪自動車、所謂オート三輪は、その手軽さからヒット商品として戦前かなり売れます。
最初はエンジンは輸入物だったのですが、段々エンジンも国産化するようになり、そうしたメーカーから、ダイハツやマツダ、くろがねなどが登場します。

更に、オート三輪まで行くと四輪に進化するのは自明の理。
小型車の枠をいっぱいに使って(しかし、業界の圧力でオースチンセブンより小さな車体を余儀なくされた…オースチンセブンが小型車枠になったら国産車が立ち行かないと言う理由)、四輪車が作られていきます。
代表的なものはダットサン、またはオオタです。

戦争で中断を余儀なくされますが、戦後すぐから、元航空機メーカーが平和産業に転身するに当たって、手軽なオートバイやオート三輪に参入します。
中島飛行機から転身した富士産業、富士精密、立川飛行機から転身したたま自動車、三菱重工を分割した水島製作所、名古屋製作所、川西航空機系列の明和工業、愛知航空機から転身した愛知機械工業など。
戦前からのメーカーに加え、航空機メーカーからの転身組、一旗組など多数がこの領域に参入して、梁山泊的な感じを醸し出すのですが、戦後の好況と不況のサイクルを繰返す中で、小型車の枠が拡大し、オート三輪は四輪車に淘汰されていき、ミゼットなどの軽三輪に活路を見出すものの、これも直ぐに軽自動車に取って代わられました。

体力の無いメーカーは、或いは倒産など退場を余儀なくされ、或いは合併を余儀なくされ、或いは大手メーカーの軍門に降ると言った状態を余儀なくされていきました。
三輪車の時代が過ぎると、四輪車全盛の時代を迎えますが、現在の市場規模と会社の骨格がほぼ固まったのが1950年代後半から1960年代にかけてです。

本書では、時代時代の各メーカーに焦点を当てて、その動きや製品、特徴を記しています。
更に、写真や図版も多用して、様々な車の紹介をしてくれています。
子供の頃、まだ自動車が然程拡がっていない時代、大工さんなどの商売人が軽トラックや小型トラックをよく使っていました。
その頃は、車種とか知らなかったのですが、今、この図版を見たら、「マツダのこれか」とか「ホンダのあれか」なんてのが次から次へと蘇ってきます。

また、この手の本を数多く執筆している桂木さんのいつもの筆致ですので、非常に読みやすく、あっと言う間に読めてしまいました。

小型・軽トラック年代記

小型・軽トラック年代記

  • 作者: 洋二, 桂木
  • 出版社/メーカー: グランプリ出版
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: 単行本


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