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ももクロ春夏秋冬ビジネス学 [読書]

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今日はお休みなのですが、週明けには提出しないといけないので、鉛筆嘗め嘗め利益計画の数値作り。
意外にも、家でYouTubeなどを見つつやった方が、会社で仕事するよりも効率よく出来ました。
オリンピックもこんな感じで家に引きこもれると有難いのですが。
一番の大物部分をほぼ仕上げたので、明日1日、残りの数値を突っ込んで、人件費を突っ込めば、大体が完了です。
まぁ、転記をミスっていなければ…ですが。

さて、そんな訳で昨日色々とブログ側がおかしくって、書けなかった書評を今日は書く。

『ももクロ春夏秋冬ビジネス学 笑顔の連鎖が止まらない至福の哲学』(小島和宏著/ワニブックス刊)
いつものももクロ公式記者である作者の、ももクロ評論です。
小島さんは以前、『ももクロ非常識ビジネス学』と言う本を上梓ししたのですが、その本から溢れたネタを出版記念のトークショーなんかで披露していたら、そうしたネタもアイドルビジネスとしては非常識である事が編集者から指摘があり、どうせなら、柳の下に泥鰌は2匹とばかりに続編を書いてみようと言う事になって出たのが今回の本です。

ももクロの客層というのはアイドルビジネスにどっぷり浸かっているユーザばかりでは無いので、そうした層を相手に懇切丁寧にももクロ陣営が対応していたら、それが実はアイドルビジネスからすれば非常識に見えるという話。

何故にと言えば、元々が下積みが長くて(それでも演歌歌手よりは短いですが)様々な苦労を経ているからと言うのもありますし、また、一過性のアイドルユニットだったももクロを、何時の頃からか、メンバーも含め長いスパンで維持していこうと言う覚悟が出来たからと言うのもあるのでしょう。

敢えて今のアイドルビジネスとは真逆のことをして成功を収めてきている訳で、本当はそれが王道な筈なのですが、社会全体が刹那的になってしまい、短期的な利益のみを追求した結果、王道が邪道になってしまったと言う感じを受けます。
本来の顧客ファーストというのはこれなんじゃないかなぁ。
見た目成長している企業の話ではなく、目には見えないけれど従業員が幸せで、かつどんどん成長もしている企業の話を聞いていると、ももクロのビジネスモデルと同じやり方をしているように思えます。
つまり、先ず第一はお客さんの幸福、そしてももクロのメンバーも含めたスタッフの幸福、最後が経営という視点でビジネスを行うと、自ずとこう言う感じになっていくのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、ももクロのビジネスモデルに於ける大体の非常識さについては、前著でほぼ触れています。
今回はももクロの1年を通して、どんなビジネスが為されているのか、それがアイドルビジネスの視点から見るとどれだけ非常識なのかと言うのに踏み込んだのが今回の中身になります。

春の「一大事」。
ももクロは春、夏、冬に大箱でコンサートを行います。
その出だしの春のコンサートは大箱と言いながら、実際には無から有を作ろうと言うもの。
数ある自治体が名乗りを挙げて、その中から選ばれた自治体のグラウンドなど大きな面積を占める場所に会場を造りあげるものです。
普通は、儲けだけ考えると先ず行いませんが、ももクロ陣営はやってしまう。
これはプロレスからの発想で、どんな小さな自治体でも四角のリングさえ作れれば出来るのと同じやり方です。
地方都市の、然程大きな自治体では無い場所に何万人もの人間がやって来る。
それだけで地方都市にとっては一大イベント=「一大事」な訳で、経済効果が生まれることは勿論、その開催地間の交流も生まれ、絆が出来ていきます。

夏の「バカ騒ぎ」。
こちらは球場やサッカー競技場で行う超大規模なコンサートで、夏の一日、頭の螺旋を外して、みんなでバカになろうというコンセプトの元で開催されるコンサート。
しかし、その裏では夏特有の天候や気温状態に左右される体調管理など、きめ細やかな対応がスタッフによって為されています。
そういった裏話を披露しつつの、この部分は謂わばオーソドックスな造りです。
ただ、その演出は毎回議論を呼ぶことが多かったりします。

秋は敢えて何も予定を入れていませんが、挑戦の季節と言っても良い感じ。
数々のフェスに爪痕を残し、映画や演劇、果てはミュージカルに挑戦し、座長公演までやってしまう。
普通はコンサートツアーなどを行う季節ですが、それを敢えて封印して、新しい物事に挑戦していく姿勢が他の季節での成長に繋がっているのでは無いか、と。

この章末には、本広克行監督と小島さんの対談が組まれています。
所謂、ネタバレについての演劇界とアイドル界の常識の違いと言うのが論点です。

そして冬は、クリスマスに行われる「ももクリ」と大晦日の「ももくろ紅白歌合戦」。
会場の非常識さ(最近でこそさいたまスーパーアリーナが定番ですが、以前はスキー場でコンサートしたことも)、日程の非常識さ(平日でもクリスマス前後に拘る)、そしてももクリと歌合戦の間の短期間のうちに複数のステージのレッスンを熟し、実際に本番に臨む彼女達のタフさと共に、メンバーやスタッフとモノノフとの共犯関係についても述べています。
それにしても、本当にモノノフは真面目一徹と言う感じなんですねぇ。
個人レベルでは色々あるのかも知れませんが、集団になるとお行儀が良くなるのでしょうか。

文体も軽めのものなので、一気に読んでしまいました。
因みに、モノノフは「公式本」でないと見向きもしないそうで、以前画談録を「非公式」なんて表紙に書いて出したら、会場で販売しているにも拘わらず誰も買ってくれなかったとか。
真面目さの一例かも知れませんが、笑ってしまいました。

ももクロ春夏秋冬ビジネス学 - 笑顔の連鎖が止まらない至福の哲学 -

ももクロ春夏秋冬ビジネス学 - 笑顔の連鎖が止まらない至福の哲学 -

  • 作者: 小島 和宏
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2019/12/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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