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鉄十字の蛇の目 [飛行機]

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今日はNegicco姐さんの新譜について書こうかどうしようか迷ったのですが、久々の飛行機ネタにしてみようかと…。
子供の頃、誕生日プレゼントで航空ファンという雑誌を親に買って貰いました。
考えてみれば、おもちゃだとかゲーム機だとかそう言ったお高いものでは無く、1,000円もしない雑誌で籠絡されてしまう私も情けないのですが、まぁ当時は飛行機大好き少年でしたからね。
丁度、転校した頃で、転校先の空には飛行機の「ひ」も飛んでいませんでした。
まぁ、陸自の基地があったのでヘリコプターくらいは飛んでいたのかも知れませんが。

飛行機が飛んでいなかったので、その雑誌を食い入る様に見ていたのを思い出します。
そう言えば、何十年後かに『シュワーおじさん』と言う人のコラムがありました。
航空ファンの創立当時に幹部だった人の思い出話で、米軍施政下の沖縄でシカゴステーキを食べたとか、フィリピンに行って軍の秘密基地に潜入したとか、台湾では丁度亡命してきたMiG-19を独占取材したとかの逸話を持っている人です。
因みに、なんで「シュワーおじさん」と呼ばれていたかというと、英語で何か聞かれるごとに"Sure”で済ませていたからとか。

そんなコラムに、ある男性客室乗務員(パーサー)の思い出話がイラストと共に掲載されていました。
うる覚え(何故か変換できないw)ですが、確か太平洋横断便でファーストクラスに乗っていた人を楽しませようと考えたパーサー氏。
ロープを使った手品を披露しようとして、自分の首にロープを巻き、お客がギュッと締めたらそれがぱらりとほどけてあら不思議、となるはずなのに、結び方を間違えてロープが首に絡まってしまい、ギュッと締められてゲバゲバ状態になったと言う話でした。
そのサービス精神旺盛なパーサー氏こそ、若き日の安倍譲二さんだったりします。
この前の訃報でふとこんな話を思い出しました。
ご冥福をお祈りいたします。

ま、そんな話はさて置き、この雑誌の巻末にプラモデルの広告が掲載されていました。
今となっては垂涎もののオーロラだとか、フロッグだとかのプラモデルの中に、イタレリの1/48スケールの飛行機群の模型リストも掲載されていました。
その中で一際目を引いたのが、M.S.500Cricketという機体。
先日、Flight Rader24と言うWebサイトのメルマガに掲載されていたのが、懐かしのこの機体です。

実はこの機体、Morane-Saulnierが生産した機体ですが、原型機はFieselerのFi156Storchです。
第2次世界大戦中ドイツ軍は、欧州各国を占領すると、そこにある工業基盤を利用して自国の兵器を生産させています。
それは第2次世界大戦前に併合したチェコで始められましたが、占領地が拡がると、航空機産業ではベルギーのSABCA、オランダのFokker、そしてフランスの各航空機会社がそうした生産に参加します。

基本的に第1線機は本国で生産していましたが、後には自国設備だけでは間に合わず、各国に生産を分担しました。

例えば、チェコではBf109、Fw189、Si204、Fi156C、Ar96B、Bu181、更にはMe262など4,147機の機体が生産されています。
特に、Bf109はエンジンをJumo211に換装した型が生産され、1955年まで用いられたほか、イスラエル空軍の最初の主力機としても用いられました。
Me262も余った部品を元に何機かが組み立てられ、試験されています。

オランダはDo24の様な戦前から生産してきた機体の他、Ar196やBu181も組み立てられており、Do24はDo24Tとして154機が生産されました。

勿論、航空先進国のフランスも例外では無く、国有化された各企業で機種が割り当てられました。
SNCASOでは、戦前から生産してきた機体をビシー政権軍向けに生産していたほか、Ju52/3mやFw189を生産しています。
SNCANではDo24やBf108、SNCACではSi204、SIPAではAr.196とAr396。
そして、民間企業のAmiotではJu52/3m、Breguetでは自社の機体の他、Fw189、Bv.144、FalmanではHe274、Morane-SaulnierではFi156が生産されました。

1944年、フランスの殆どの地域は解放されます。
しかし、フランス空軍が復活するには連合国から引き渡された機体だけでは機材が足りず、こうしたドイツ機の生産からスタートしました。

てな訳で、久々の長編ネタスタート。
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