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国鉄広報部専属カメラマンの光跡 [読書]

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流石に週休0日は身体に堪えます。
16時過ぎたらもう集中力が無く、疲れがどっとやって来ました。
まぁ何とか18時半まで耐えましたが、この持続力がどこまで続くのか分かりません。

さて、今日も観劇の感想を書こうと思ったのですが、疲れて頭が働かないので、昨日まで読んでた本の紹介。
流石に疲れて殆ど読む気力が無かったのですが、写真がメインの本だったので1日で読み終えました。

『国鉄広報部専属カメラマンの光跡 レンズの奥の国鉄時代』(荒川好夫著/交通新聞社刊)
ヤマケイのレイルシリーズや、保育社の「国鉄の車両」シリーズ、「私鉄の車両」シリーズの写真を撮り続けたカメラマンで、1968年、国鉄に嘱託カメラマンとして入社し、以来、民営化に至るまで、ずっと日本全国の国鉄マンや国鉄の風景を撮り続けた膨大な写真の中から、選りすぐった写真を中心に、それらの写真に関する記事をエッセイ風に纏めた本。

昨日の本もそうですが、古き良き時代の国鉄の風景を、こちらは会社組織の広報という目を通じて、記録したものです。
これらの写真は、社内報や社外向けの宣伝媒体に用いられ、国鉄広報の一助を担いました。

あくまでも嘱託カメラマンですから、現地に赴く交通費やある程度の経費は出るようですが、機材代は自腹だったそうで、北海道では犬走りに立てかけておいた機材が列車通過の風圧で海にドボンしたり、寝台列車に乗っての取材中、目を離した隙に寝台に放置していた機材がまるごと盗難に遭ったり、大雪に見舞われた新潟での除雪現場では、寒さや雪の水分でストロボの回路が故障したりと、苦労は絶えません。

また、ローカル線に赴くと列車の接続が良くないため、足はレンタカーや取材用の自家用車を駆って道なき道を行くと言うことも屡々。
当時としてはハイカラなフォルクスワーゲンのトランスポーターをその足に使っていたのですが、堅牢で高品質なドイツ製の車でも、日本の悪路には耐えきれず、部品が落ちたり、ギアの動きをエンジンに伝えるワイヤーが切れたりと散々な目に遭っています。

それでもその苦労の結晶である、嘱託カメラマンならではの貴重な写真が残っていて、先に書いた新潟の除雪現場の迫力ある写真やヤクルトが優勝したときに送られた記念の盾(その昔、スワローズは国鉄スワローズとなっていた事が有ったため)、新関門トンネルの工事現場の湿度100%の環境下での写真、関門トンネルを人道では無く鉄道トンネルの掃除に同行して踏破した写真、十和田地区の国鉄自動車部の貴重な写真と、国鉄には珍しい女性達(車掌さんの研修に同行した)の写真、更には鉄道100年記念式典において、国鉄本社での式典の代表取材を行い、昭和天皇と香淳皇后を撮影したときの緊張感が伝わる写真、更には国鉄からJRに移行するときの都内の出来事を記録した写真などが掲載されています。

古き良き時代の国鉄の風景と共に、時代背景を切り取った歴史の記録です。
最後には、取材途上で撮影した沿線各地の風景写真もあり、これもまた生活の貴重な記録として残っていることに感慨深いものがあります。

思えば、国鉄民営化から日本全国が「効率化」のかけ声の下ひた走り、結局、生活に余裕や楽しみが失われていった様な感じを受けます。
今は、働いている人達からどれだけ笑顔が出て来るのでしょうか。
また、メリハリのある表情がどれだけ出て来るのでしょうか。
そんなことを感じてしまう本でもありますが、そんなことを思うのは、正直年を食った証拠なんだろうなぁと思ったりして。

国鉄広報部専属カメラマンの光跡 (DJ鉄ぶらブックス―線路端のたのしみを誘う本)

国鉄広報部専属カメラマンの光跡 (DJ鉄ぶらブックス―線路端のたのしみを誘う本)

  • 作者: 荒川 好夫
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2017/03/07
  • メディア: 単行本


タグ:読書 生活
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